有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

夏場で頭痛が酷くなるわけ。4つの影響を、病態から、考える。

 

 

kataroh.hatenablog.com

 

夏場と頭痛

上記の記事で、頭痛とマスクの関係性を概説した。およそイメージどおりだとは思う。マスクを長時間装着していると、頭痛持ちの方の頭痛を悪化させる可能性がある。

 

この記事ではマスクに限定した話ではなく、夏場と頭痛の関連性を、軽く概説したい。こちらについてもイメージどおりだとは思うが、やはり酷暑の環境は頭痛の悪化を加速させる。

 

 

「頭痛持ち」の頭痛のメカニズムを復習

以下、上記の記事からの引用である。頭に叩き込んでほしい。病態を考えるうえでの基本ロジックである。病態から考えると、知識が統合されて、自分の血となり肉となる。

 

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一般に、頭痛持ちの人の頭痛の原因は、膨らんだ血管が神経を圧迫するためとされている。血流が増えて血管が大きくなり、その結果として痛みを伝える神経を刺激してしまうそうだ。はっきりと原因として断定されているわけではないが、その可能性が高いとされる。

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頭痛持ちの頭痛(慢性頭痛)とは、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛である。体質的な要素が大きいとされる。ただし、いずれも未だに謎が多いため、分かっている範囲の話になる。

 

体調に異変があれば、我慢せずに医療機関を受診いただくのが良いだろう。ここでは、あくまで「夏場と頭痛」の関連を、記録するまでである。

 

①脱水状態

夏場は脱水状態になりやすい。外が暑いため、汗も多くなる。知らないうちに脱水に至っていることもある。

 

全身が脱水になると、脳への血流も少なくなる。本来ならば、熱をおびた頭部や脳に血流が行き渡ることで、放熱(熱を下げる仕組み)が働くはず。

 

ところが脱水してしまうと、放熱が上手くいかない。結果として、頭部や頭蓋内の温度が上がってしまい、血管壁も少しだが膨張する。この膨張した血管が神経を圧迫して頭痛を誘発するというわけだ。

 

 

②日光

こちらは分かりやすい。とくに「片頭痛」持ちの方にあてはまるメカニズムだ。頭痛を誘発するセンサーと、日光を感受するセンサーが、脳の中で近い部位にある。

 

強力な日光を浴びた場合、脳としては頭痛センサーもスイッチ・オンしてしまう。結果として頭痛が酷くなる。

 

心当たりはある。僕も日差しが強すぎる日には、頭痛が酷くなりがちだった。夏場で頭痛が酷い日を思い返すと、たいていは快晴の日だった。一般に「片頭痛」持ちの人は、センサーの感受性が高い。こういったところからも、納得できた。

 

 

③気圧変化

夏場は、突然夕立が降ったり、台風が発生したり。天気がいろいろと変わりやすい時期でもある。

 

この急激な気圧変化も、敏感な人にとってはダメージとなる。気圧変化のおかげで、組織がむくんでしまい、結果として色々な不調を誘発する。「気象病」と総称したりもする。この中にも頭痛が含まれている。

 

以下の記事に詳しい。

 

 

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④室内と屋外の温度差

これについては、温暖化の影響も大きいとは思う。

 

気温が高くなると、必然的に室内ではクーラーを強くかけがちだ。最高気温が40℃近い日だったとして、室内は27℃に設定しているとする。10℃以上の差があるわけだ。・・・これだけの差があれば、体調に変化があっても、オカシクないだろう。

 

屋外と屋内を行ったり来たりすれば、自律神経にも影響が出てしまう。血管の大きさの調整をしてくれる自律神経を、そんなにイジメたら、どうあっても悪影響だ。脳の血管も膨張したり拡張したりして、頭痛を誘発しやすくなる。

 

 

では対策とは・・・

それぞれの項に対応させている。

 

①ミネラルを含んだ水分をとる。

②サングラスや帽子を検討する。日光を避けて歩く(限界はあるだろうし、照り返しには無効だ)。

③良く休む。

④あまりに気温が高い日は、やたら外にでない。クーラーは大事だが、程度を守る。

 

ぶっちゃけ、これといった対策に乏しい。外部環境の問題なので、コントロールには限界がある。根性論みたくなるが、乗り切るしかない。

 

 

 

語郎