有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

わかりやすく人に伝えるコツ

 

 

わかりやすく人に話を伝えるコツ

人に説明をする場面で上手く相手に意図が伝わらず、もどかしい思いをしたことがあります。なるべくわかりやすく伝えようと心掛けるのですが、これといったコツがわからなくて、対処法を模索していました。

 

最近になって、ようやくコツみたいなところが掴めるようになってきました。

 

結論から。

「単語、とくに分かりにくい単語や専門用語を多用しないように気をつける」。

これだけ。

 

 

バイト先でのこと

普段とは別の職場でのことです。仲良くなった事務員さんに、カルテでよく分からない病名などを質問されるようになりました。

 

認知症の方が多いので、それ関係の話を例にとります。

 

「脳血管性認知症」という病名というか、概念があって。医者はサラっとカルテに書いてしまいがちなのですが、どうも事務員さんは意味が分からず混乱していたようでした。「認知症と何が違うの?」と。

 

まさに単語の単位で意図が伝わっていない典型だと思われます。たしかに、「脳血管性認知症」だけだと、施設の管理者や事務の人は意味が分からないはずです。

 

「脳の血管が詰まったりする病気があって。脳の血管が詰まると、脳の神経が死んでしまいます。記憶に関する部分の神経が死んでしまうと、物覚えが悪くなったりするのです。これをまとめて、脳血管性認知症と呼んだりしています」みたいに説明しました。専門用語は極力つかわず。抽象的な表現が多くなってしまいますが、それでもわかりやすさを優先しました。

 

 

専門家の説明ほど、わかりにくい

テレビに出ている専門家の話が、妙にわかりにくいことってありますよね。論理的にはスジが通っているんだけれども、なんかしっくりこないというか。

 

こういう場合って、単語単位で説明が不足していることが多いんじゃないかしら。あと、そもそも聞きなれない単語だから、聞いていても理解が及ばなかったり。

 

 

聞き手の知識水準に合わせるのが究極

専門家の人が、学会で専門的な話をするのに、難解な単語を使うのは全然OKだと思います。むしろ、そういったオフィシャルな場面で回りくどい説明をしていては、下手したら怒られます。「そんな基本的なこと、いちいち言わんでもわかっとるがな!」みたいに悪態をつく人が、実際にいました。

 

つまり、究極は「聞き手に合わせて単語の強弱を変えられる」スタイルなんじゃないかな、って。相手の知識水準にあわせて単語の「噛み砕き具合」を調整できる人っていうのが、ようするに説明がうまい人なのではないか、と。

 

そう思った今日この頃でした。

 

 

語郎