学生時代、血液内科に所属している期間が、ちょっと長かったです。そのため他の診療科目よりは、詳しく紹介できると思います。
他の科目については、2週間程度で終わってしまったため、あまり十分な記録ができないため、この科目に集中させて頂きます。
どんな研究をしているのか、どういった診療を提供しているのか、かるく記録しようと思います。
診療内容や実態の記録については、この記事以降はしばらく見送らせて頂きます。今回は、番外編といったところですね。
・前情報
大学5年生と6年生の、研究室配属・診療科配属の内容になります。学生実習の一環として、自由に選択できます。どの大学でも、そういった期間があると思います。
あまり志望者が居らず、選抜も緩い科目だったため、血液内科を選びました。人気な科目ですと、人が殺到してしまいます。加えて、僕は大所帯のワチャワチャがあまり好きではないので、この科に配属・研究できて良かったです。
・常勤医師
血液内科に勤務している常勤医師は、とても少なかったです。教授含めて、6名くらいでした。そこに、若手のスタッフが加わりますが、それでも10名ほどしか、いらっしゃいませんでした。
そもそも、血液内科の医師自体、全国的にみても人数が少ないです。診療科目として設置している病院は、大学病院や中核規模の病院しかありません。地域の小さい病院には設置していないことが殆どですね。
そんな人数が少ない環境のなかでも、アットホームに指導頂きました。感謝。
・日課
診療する疾患としては、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫の3疾患がメインでした。血液細胞の悪性腫瘍をメインに診察しています。
実習の内容自体は、ほかの科目と変わりませんでした。朝から実習して、お昼過ぎに解散でした。
ほとんどの患者さんが、抗がん剤治療を受けておられます。無菌室という、細菌やウイルスが極限まで除去された特別な部屋も用意されています。そのため、むやみに学生が立ち入ってはいけないセクションが、多かったですね。
熱心な先生がいらっしゃいまして、わざわざ僕のためにスライドを用意し、一から教えてくださいました。おかげで、得意分野になりました。
・研究
血液疾患は、研究がしやすいことで有名なのです。
たとえば、消化器の病気などですと、内視鏡で病変を取ったり、処置が必要なことが多いです。対して、血液疾患は採血で検体が取れますし、細胞も分離しやすく、研究が発展しやすい分野なのです。
病棟の脇に小さな研究室がありました。そこで、検体を顕微鏡で染めて、血液疾患の像をみんなで確認していました。臨床と研究の距離が近いのも、魅力です。
・お薬の値段
新規の薬剤の単価が、異様に高いのが話題になります。
あまり大きな声では言えませんが、「病院内で、下手したら一番、大金が動く科」です。下手な自由診療の科目より、全然動きます。おそろしいです。
「キムリア」という白血病に対する抗がん剤が話題になりました。薬価は、なんと1回で3349万円ですよ。最近、保険がとおりました。
こんな、鬼のように高い値段の薬が多いです。そのため、製薬会社としては、他の診療科目に比べると、血液内科を丁重に扱うのだそうです。
語郎