有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

虫歯発生を極力防止するための、5つのこと

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虫歯。人生で虫歯になったことがない人も珍しいのではないだろうか。それだけポピュラーな疾患である。厚生労働省の調査では、昔と比べると随分と減ったようだ。それでも虫歯を患い、何らかの処置を加えた人はかなり多い。

 

チョコレートのスナック菓子を食べていたら、以前治療した奥歯の詰め物が抜けた。ガムやグミではない。チョコレートスナックである。「どうせ抜けるなら、もっと粘着力が高いものだろう。なんでスナック菓子なんだ・・・」と思ったが、取れてしまっては仕方ない。おとなしく歯科を受診することにした。

 

診てもらったところ、昔の処置を受けた場所のまわりが虫歯になりかけており、再度治療が必要な状態であるとのことだった。以前から治療をしつこく受けていたため、特段驚かなかったが、それでもげんなりした。きちんと歯は磨いているが、それでもなってしまった。面倒くさいのやら金がかかるのやらで、良い気はしなかった。

 

そこで、せっかく受診するのだから、虫歯を防ぐ方法論を聞いてみることにした。医学科では虫歯の勉強は全くしない(耳鼻科で少しだけかじる)ので、忘れないうちに備忘録として記載したい。

 

まずは歯科衛生士さんに尋ねた。分かったことは以下の通り。

  • 唾液の分泌が少ないと、虫歯になりやすい。したがって緊張状態が続く職業の方はリスクが高い。
  • キシリトール配合のガムは市販でよく見かけるが、賛否両論である。糖分が入っているものも多く、積極的には推奨できない。ただし、口の中で丸めて転がして唾液分泌を促すのは有効である。
  • もちろん、しっかりと歯を磨く。歯の形を意識するようなブラッシングが望ましい。

唾液分泌が重要であると強調されていた。確かに、言われてみれば口の中が渇いていることが多いかも知れない。参考になった。

 

次に歯科医師の先生にも意見を頂戴した。以下、要約。

  • 虫歯の発生リスク=糖分×細菌×時間 である。糖分のある所に虫歯菌が付着し、時間経過が長いとそれだけ発生しやすい。この3つの要素を崩すのが肝心である。

なるほど、なるほど。確かに、不衛生な時間が長ければ虫歯になるだろう。理屈は分かったので、具体的な予防の方法論を教えて頂いた。以下の通り。

  1. 特に甘い物を飲み食いした時には、せめて水やお茶などで口の中を洗い流すよう心掛ける。いくらか予防にはなるだろう。
  2. キシリトールなど市販のものについては、期待しすぎない方が良い。普通の甘いガムよりは良いだろうが、もちろん完璧ではない。
  3. 唾液分泌を意識する。口が渇いていたら水でも飲む。
  4. 毎食後に十分な時間で歯を磨けないこともあるだろう。多忙ならば仕方がない面もある。せめて寝る前だけでもしっかりと時間をとって磨くべき。
  5. フッ素入りの歯磨き粉で磨いたあと、思いっきりうがいしてしまうと、せっかくのフッ素効果が弱まる。あえて強くうがいせず、歯磨き粉と唾液だけゆっくり吐くようにするといいだろう。

なるほど。特に5は新しい情報であった。歯科でフッ素入り歯磨き粉で磨いてもらった時に「強くうがいしないで下さい」と言われたことがあった。そういうことだったのか。理解した。

 

病棟で高齢の方を診察すると分かるが、殆どの方の歯は黒かったり、入れ歯状態である。歯は消化器の一つ。大切にしたい。

 

語郎