「鼻風邪を引いたときに、歯が痛くなった」という、ご経験をされた方はいらっしゃいますでしょうか。かくいう僕も、鼻風邪を引いて、歯が痛くなった経験があります。
一見すると、鼻風邪と歯の痛みには、全く関係が思い当たりませんよね。しかし、掘り下げてみますと、症状としては密接にリンクしています。
お恥ずかしながら、最初は全く原因が分かりませんでした。何度か、同じような症状に苦しめられたため、いろいろ勉強と考察を重ねましたら、謎が解けました。
歯のことは、さすがに不勉強でしたので、知識を共有するためにも記録します。
・僕の「鼻風邪と歯の痛み」体験
もちろん、こういった症状に悩んだことがない方もいらっしゃるでしょうから、僕の症状をまとめます。
冬場、ふつーに風邪を引くわけです。引きはじめは、ちょっと気だるい。最初は喉が痛くなり、唾液を飲むのが億劫になります。数日たつと、痰が絡んできます。それと同じくらいのタイミングで、鼻水が出てきて鼻詰まりが始まります。
たいていの場合には、上に示したようなコースを経て、だんだん治ってくるのです。しかし、鼻の詰まりが酷かった場合には、追加で歯が痛くなることがあります。この「歯の痛み」には、特徴があって。姿勢を変えたとき、歩いたとき、あるいは頭の向きを変えたとき、などに悪化します。
「また虫歯が発生しちゃったのか」と絶望的な気分でした。ただ、どうも、普通の「歯の痛み」では無かったのです。なんというか、頭をズーンと押し付けられるような、歯を抜かれるような、変な痛みです。
医学と病気の知識を総動員して考察しましたが、とっさには分かりませんでした。あまりの鈍痛に、歯医者の予約を取ろうと思ったほどです。
最初は酷かった「歯の痛み」ですが、だんだんと痛みが引いてきました。頭の位置を変えても、全く痛まなくなりました。「あの痛みは、なんだったのか」と、キツネにつままれた気分でした。
・副鼻腔炎
すべての鼻風邪を引いた方が、こういった過程をたどるわけでは、もちろんありません。特定の条件によって、この症状が出現しちゃいます。ずばり、「鼻詰まり」です。僕の身に起きていたのは、急性の副鼻腔炎でした。
あまり長々と解説すると、助長になりますから、軽く概説しますと。
人間の顔の内部には、骨と組織で作られた「空洞」があります。この「空洞」を「副鼻腔」とよびます。なんで、わざわざ「副鼻腔」があるのか、詳しい理由は分かりません。顔を軽くするために空いている、とか、加湿装置である、とか色々説明がありますが。詳細不明です。
ちなみに「副鼻腔」は、全部で4つあります。今回関係するのは、「副鼻腔」のなかの上顎洞という「空洞」です。文字通り、上アゴにあるのです。位置的には、頬の下にある「空洞」です。
「鼻詰まり」が激しい風邪を引いた場合ですと、こまったことに、上顎洞が、鼻水で詰まってしまいます。詰まると、なかに膿が溜まります。
この溜まった膿が、上顎洞のそばにある「歯の神経」を圧迫してしまうケースがあります。上顎洞は、頬の下ですからね。もろに上奥歯の神経がある位置なんです。頭の位置を変えると痛みが酷くなるのは、物理的に膿が移動して、痛みの神経を刺激するからでしょう。
・対応
ほとんどのケースでは、僕のように自然に治るようですが。長引く場合には、歯科か耳鼻科を受診すると良いみたいです。
語郎