概要
「中二病」はよく知られた疾患概念である。
本研究班は、その疾患概念の延長線上にある「社二病」を疾患体系としてまとめることに成功した。
「社二病」は、社会人二年目を好発年齢とする原因不明の精神疾患である。
症状は多岐に渡り、社会生活に苦難をきたすようになる。
広く周知するため、その内容について本ガイドラインを公開する。
診断基準
診断を下すにあたり、下記の前提条件は必須である。これを満たさないものに対して診断を下すべきではない。
前提条件
・就職してから少なくとも一年以上は経過しており、就労期間が五年に満たないもの。
上記を満たしたうえで、下記の症状の有無について判断すべきである。
三つ以上の大症状が診察前の一年間で持続しており、それに加えて二つ以上の付属症状が診察時点で断続的に認められる際に、確定診断とする。
なお症状の重篤度により、大症状二つのみ、あるいは付属症状二つのみ、による推定診断を否定しない。
(診断の最適化のために、大症状をそれぞれ、情報関連症状と経済関連症状に分けている。あわせて参照されたい。)
大症状
情報関連症状
・自己啓発本を読み漁る。
・マスメディアの情報に左右され自己を見失う。
・SNSを含むインターネット交流サイトを頻繁に利用し、自己顕示欲を肥大化させる。
経済関連症状
・資産運用、投資に過度に熱中する。
・「ビジネス」や「副業」と称するものに憧れ、のめり込む。
・出来もしないのに起業意欲を熱く語る。
付属症状
・素性の知れない人々との宴会に頻繁に参加する。
・外国文化にかぶれる。
・「政治的」な主張に傾倒する。
・ネットワークビジネス、ネズミ講に騙された既往がある。
・感情の制御が困難になる。
参考所見
診断に必須ではないが、考慮すべき点である。
・大都市圏に過度な憧れをもつもの。
・芸能、金融など、煌びやかな印象のものに惹かれて自己を見失う。
治療
現時点で有効な治療法はない。
本人の知能が低い、あるいは境界知能のケースも多く、あくまで対症療法しかできないのが現状である。
診断した場合には原則、患者を放置して経過観察とするべきである。
過重労働で身体的不調を呈するものもおり、その際にも対症療法を検討されたい。
また患者のなかには、適応障害、うつ病、双極性障害など、二次的な精神障害を発症するものがいる。その際には精神科医療機関に紹介することが望ましい。
補足
追加事項があれば、適宜修正を検討する。
語郎