まだ根強い、血液型性格診断
上記記事にて、ABO式血液型検査の判定を概説した。間違った血液型を認識している方がチラホラいる、といったネタだった。
では、血液型性格診断の信憑性や確からしさは、どうなのであろうか。これについては、2014年の「血液型と性格の無関連性-日本と米子区の大規模社会調査を用いた実証的論拠ー」(京都文教大学、縄田健悟氏)という研究論文に詳しい。アメリカと日本にて大規模調査を実施し、「血液型と性格」の無関連性を立証する内容だった。
「いやいや。でも、当たっとるだろ!」と仰る方もいるだろう。それはそれで、個人の信仰であるから、構わないと思う。そこは個人の自由。
僕自身、肯定も批判もしない、日和見的な立場をとっている。この記事では、あくまで心理学的に解説がなされている内容を、概説して記録するものである。
バーナム効果って?
血液型性格診断を見聞きする機会は、以前と比べると、いくらか減っていると思う。それこそ、昔のテレビCMや番組で、ガチガチの決めつけが横行しており、少々問題になっていたようだ。決めつけすぎるのは、よろしくない。生活上でも、「ブラッドタイプ・ハラスメント(ブラハラ)」などと言われるようになってしまった。
あくまで、イメージ論として、記載する。決めつけているわけではない。
A型:真面目
B型:自由
O型:おおらか
AB型:二面性
と、まあ、こんな風に言われることが多いだろうか。
ただ、よく考えてみれば、誰しも一般的に当てはまるような内容だろう。たとえばA型の人が、O型の項目をみても「腑に落ちる」ことがあるだろう、という意味だ。
ずっと真面目一本ではないだろうし、おおらかな時・自由な時だってある。二面性なんていったら、会社と家庭で両面である。それぞれに固有のことではない。
こういったような、「だれにでも、一般的に当てはまりそうな内容を、さぞ自分に固有に当てはまっているように感じる」心理現象を、バーナム効果という。ちょっとしたキーワード概念なので、脳髄に刻んでほしい。
バーナム効果の不思議。
たったこれだけのロジックだが、奥深くて関心する。ちなみに、応用が利くのである。血液型占いに限定された概念ではない。
「たいていは真面目だけど、たまにズボラ。好きなことには、とことん夢中になりますよね。でも、グータラしちゃうときもある」性格。こんなのは、だれにでも当てはまる。ただ、一般的な内容を列挙しただけである。
こうやってみると、あまりにも使い勝手が良すぎる。いろいろな営業手法や詐欺手法に応用されているかもしれない、と感じてしまう。
余談
以下、余談。
血液型は、なにも「ABO式」だけではない。「Rh式」については、出産のときなどでは、特に重要な概念である。
ちなみに「ABO式」と「Rh式」は、赤血球の型の話である。じつは、白血球にも、型が存在する。「HLA」が有名で、骨髄移植などでは、最重要である。免疫病領域でも、注目されている。
このように「ABO式」のほかにも、沢山の血液細胞の「型」がある。それらについて、性格診断で「ABO式」のように言及されないのは、「ちょっと妙だなぁ」と感じている。
語郎