有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

『現代洗脳のカラクリ』を読んで【脱・洗脳】

 

2022年7月の中頃に読みました。

 

読者登録させて頂いているブロガー様で書評記事があって、それ以来気になってましたので、購入しました。

 

『現代洗脳のカラクリ』

出版社:ビジネス社 、 著者:苫米地英人

おススメ度:★★★

 

ちょっと怪しげな題名と表紙。

 

著者の苫米地氏はオウム真理教信者の洗脳を解除したことで有名ですが、その一方で「怪しい」やら「胡散臭い」などと言われているようです・・・。

 

本書籍のテーマは「洗脳」で、そのメカニズムや実例が平易な言葉で解説されております。

 

全体を通じてわかりやすくヌルヌルと読めました。

 

洗脳って聞くとおどろおどろしいイメージがありますが実際にはライトで日常生活にも溢れています。

 

広告とか、テレビCMとかね。

 

オウム事件で実際に洗脳されちゃった人の手記もあり、かなり参考になるかと。

 

終盤で気功やらの話になり雲行きが怪しくなりますが、そのへんは流し読み程度に押さえました。

 

細かいネタバレは避けて骨子だけまとめました。気になる方はぜひ自分で買って、読んでくださいなー。

 

概要

章立て

無理矢理パート分けしてみました。

序盤

トランプ大統領、当選のなぜ?

メディアによる洗脳について。

拝金思想、タックスヘイブンパナマ文書、オリンピック、などなどの時事ネタ。

 

中盤 

洗脳手法のメカニズム。

変性意識について。

オウム真理教の実例を手記風に紹介。

 

終盤 

変性意識を作る方法。

気功の話。

洗脳から逃れる策。

 

洗脳手法

洗脳されやすいシチュエーションが紹介されています。

 

★恐怖体験・・・文字通り、恐れの感情を煽ることです。

 

★変性意識・・・映画やCMを観ているときなど。架空の世界に意識が「飛んじゃってる」心理状態を指します。

 

★情報遮断・・・洗脳対象が受け取れる選択肢を狭めていき、洗脳したい方向の情報に導きます。

 

たとえば。現実には映画のスクリーンを観ているだけなのに「怖い映像で手に汗を握る」などは、変性意識下でリアルな身体状況が書き換えられた典型例と言えます。

 

こんな風に人は無意識に情報を書き換えられてしまいます。


オウム真理教で最強の洗脳装置は◯◯

オウム真理教のターゲット層には、モラトリアム的に悩みを持っている若者が大勢居ました。

 

オウムを知った若者は教団に少なからず興味がわいてて、道場を訪れるのです。

 

そんな彼らを相手に、教団側はいきなり上記の洗脳手法は使いません。フツーに警戒されますからね。

 

まずは教団の信者が悩みを聞いてあげる。若者は聞いてもらえて安心して納得する。あるいはヨガで良い体験をする。

 

信頼関係が構築されたあとで初めて、上記の洗脳手法を展開。

 

★恐怖体験 → 地獄を連想させる映像をみせる

★変性意識 → ヨガや薬物などで実際にラリらせる

★情報遮断 → 上九一色村などでの合宿、周りが信者だらけ

 

実のところ洗脳の入り口はオウム真理教に「興味を持った段階」である、と。

ここがキモです。

 

オウム真理教で最強の洗脳装置は◯◯、とのことでした。

 

ここはすごく意外で面白かったので伏せておきます。気になる人は読んでみてくださいなー。


洗脳から逃れることはできない

僕らの住んでいる世界そのものが情報で構築されているため、根本的には洗脳者の情報攻撃から逃れることは出来ません!!

 

何かしらの形で第三者が利する情報をネジ込まれてしまう、ってわけです。

 

洗脳される前に「自分の判断軸」をもって情報を取捨選択して吟味する、ってのが現実的な解決策。


個人的見解

ちょうど本を読んでいるときに安倍さんが撃たれちゃいました。

 

改めて、ご冥福をお祈りします。

 

あまり政治的な主張はしたくないのですが、ネットの記事や政治家のインタビューを読んでいて、色々と考えさせられました。

 

なんというか。政治家の皆様は「民主主義への挑戦」などと断じておられますが、少なくとも今の時点で断定するのは早計でしょう。

 

まだまだ動機は未解明ですし、捜査関係者にしかわからんはず。

 

それでも世論を「そういう方向」にもっていきたい人たちがバックにいて。「そういう報道」が流れるのですわ。

 

テレビとか新聞とかネット記事とか、やたらに見ない方がいいです。

 

感情を煽るように設計されているのですから、完全に中立の立場で観る、なんてのは難しいのですから。

 

この書籍自体も偏っている感は拭えませんが、いろんな示唆に富んだ本でした。

 

語郎