病を運ぶマダニ
つい先日、感染症関係で気になるニュースがあったので、注意喚起とともに取り上げます。マダニが運ぶSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という疾患についてです。あまり聞きなれないでしょう。
ぶっちゃけた話、僕がブログで雑学的に取り上げる感染症は寄生虫疾患が多く、現代日本では(あまり)問題になることは少ないと思います。そのため寄生虫関連の記事を読んでくださっても、あんまり意味がないと思います(投げやり)。寄生虫疾患の感染経路はエキセントリックすぎて、いまの日本の衛生環境ではパンデミックに至らないからです。
寄生虫と比較すれば、おそらく今後も問題になってくるであろうことが予想されるSFTSですので、皆さんにとっても有益だと思います。
病気について、気になる方はリンクの記事も見て下さい。厚労省の公式ページです。詳しくまとめられています。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)のヤバさ
①症状
発熱、消化器症状、筋肉痛などの一般的な体調不良の症状。それに加えて、血液の中の血小板が下がることにより、出血症状がみられることも。
②感染経路
ヒトからヒトに感染が広まるような疾患ではありません。SFTSウイルスを保有しているマダニに噛まれることで、感染します。
③治療、致死率
有効な治療やワクチンが、現時点でありません。治療する医療機関の体制にもよりますが、致死率は10%~30%に迫ります。日本でも、この疾患で亡くなった方がおられます。
④対策
ウイルスを持っているマダニがいるであろう野山には、むやみに入らない。入る場合には、肌の露出を避ける。ぶっちゃけ、これくらいし予防策がありません。
何がトピックだったのか?
SFTSが初めて人類で報告されたのは、2011年です。中国で病原体が特定されました。まだ日が浅い感染症なのです。ちなみに中国から日本に広まったわけではなく、あくまで別物です。どうやら、もともと日本にも存在していたようなのです。
日本では西日本を中心に、2013年からSFTS患者の報告がありました。ウイルスをもったマダニは西日本に限局している、という認識が一般的でした。
ところが。2021年7月頭、千葉県でSFTS患者の発生が報道されました。あまり大きなニュースにはなっていませんでしたが、個人的には衝撃でした。ウイルスをもったマダニの生息地域が拡大している可能性が否定できなくなりました。
ちらほら、SFTS関連のニュースが・・・
いま、まさにSFTS絡みのニュースを調べているのですが、愛知県、静岡県でも続々と発症者が確認されているようです。昔は存在も分からなかった「SFTS」ですけれど、医師側が疑って検査をすることが増えたため、判明しやすくなったという側面もあるでしょうね。
今後、まだまだ油断できない状況になるでしょう。
野山にでるときには気をつけましょう。
リンク
語郎