金縛りの科学
「夜に途中で目が覚めてから、体が動かずに苦しんだ。のしかかられる感覚があって、大変だった」という金縛り現象。僕は体験したことはありませんが、父親が体験していたみたいです。一部の界隈では、心霊現象として有名になっています。
さて、そんな金縛りですが、ほとんど科学的な意味でのメカニズムは解明されております。そのメカニズムは、睡眠サイクルによって説明されます。
もちろん全ての金縛り現象について、科学的な解釈ができるわけではないかも知れません。ですが、現在一般的に言われている仕組みを、かるくご紹介します。
睡眠のサイクル
金縛り現象の原因を理解するうえで、とくに睡眠サイクルの理解が大事です。医学的に小難しいことを書くつもりはないので、流し見て下さいな。
睡眠のリズムというのは、眠っているときの脳波・筋肉の緊張度・睡眠の深さによって、ざっくりと決まっております。
おおきく分けて、ノンレム睡眠とレム睡眠に分かれます。このノンレム睡眠とレム睡眠を、繰り返しているのです。
①ノンレム睡眠
どちらかといえば、深い眠り。体が動かせるため、寝返りできる。脳の活動は、お休みしている状態。
②レム睡眠
どちらかといえば、浅い眠り。体は動かせない。例外的に、眼だけは、よく動く(rapid eye movement:素早い眼球運動)。脳の活動は、活発な状態。そのため、夢をみるのは、レム睡眠のタイミングで起こる。
ややこしいので、ざっくり「レム睡眠のときには、脳は軽く起きてて、体は寝ている」って理解するのが良いでしょう。
寝ているときには、 ①ノンレム睡眠 → ②レム睡眠 という1回のセットを、繰り返すことになります。だいたい、4回ほどを一晩で繰り返すかんじになります。
「金縛り」はレム睡眠で
「レム睡眠のときには、脳は軽く起きてて、体は寝ている」とレム睡眠の特徴を、ざっくり、書かせていただきました。
このレム睡眠の特徴というのは、金縛りの症状と、よく似ていますよね。完全に脳が起きてしまうと、まさに金縛りの症状が完成することになります。医学的には、睡眠麻痺と称されています。
「体が動かない」という訴えのほかにも、たとえば人の声がしたり、圧迫される感じがしたり。いろいろ、多彩な訴えがあります。
レム睡眠のときには、夢をみているようなフェーズですので、感覚も混濁しているのだと思われます。そういった奇妙な感覚をおぼえるケースも、あることでしょう。
原因
原因としては、ストレスとか、じつに様々です。ほか、睡眠サイクルが乱れるような内科疾患でも、生じることがあるようです。
万が一この先の人生で、金縛りしてしまっても、落ち着いていられるようにしたいですね。
この記事を思い出してくださると、幸いです。
語郎