・チャレンジ精神を否定する友人
いろいろなことにチャレンジする精神は、若くて素晴らしいと思います。友人にも、株式投資をやったり、講師業をやったり、はたまたBARをつくったり。いろいろな人がおります。
昔から、そういうチャレンジ精神をもつ人が好きで、尊敬しておりました。ですが、浪人時代に予備校で知り合った同級生に、こういう話をしたところ。彼は何故かブチ切れてしまい、「けしからん。税金をたっぷり使っているんだから、医者になったからには、一生医業に捧げるんじゃ!!!」と言い出しました。
もちろん、医業に邁進するのは当然です。ですが、なぜそこまでブチ切れるのか、謎でした。もしかしたら彼は、国庫を裏で管理する大物であった可能性もありますが、まあガッツリ浪人しているあたり違うでしょう。
「ちょっと、考え方が根本から違うなぁ」と、おもっていました。
・根本的な価値観の違いは、埋めにくい。
医学生だったころ、高校時代の同窓会がありました。当時の僕は、「外科の医者は、寝ないで頑張ることがある。素晴らしい」と、ガチで思っていました。ですが、それを事情をよく知らない人に言うのは、けっこう御法度だったりします。「いや、寝ろよ・・・」と、かつての同級生にドン引きされました。
そういう過程をへて、だんだん思考回路がまともになってきたのかも。
①「寝ないで働くとは、すごい頑張っている。美しい」
という立場の人も、います。特に、医療業界で働いていると、実感します。けっこう、このような思想の方が多いのです。
ですが、同時に
②「休まずに寝ないで働くなんて、労務管理上の大きな問題だ」
というのも、また正論です。最近ですと、働き方改革もあって、労務管理に関心をもつ人が増えております。
①と②の立場は、まったく異なっています。そのため、それぞれの考え方にたつ両者は、往々にして意見がかみ合いません。おおきな前提が、かなり異なっているからです。
「こういう考え方の人も、居るのだな」と分かるかも知れませんが、それ以上に収穫はないでしょう。まともに話し合っても、時間の無駄かも知れません。
・若いころには、広い視座を持ちたい
実際にあった、こういうエピソードをときどき思いだします。やはり、いろいろな考え方をもつ人と接しないと、分からないことがありますね。
僕だって、高校時代の同期と語らなかったら、ずっと一方の考え方に固執していたかも。広い視点をもつことが、精神衛生上よいかも知れません。
そして、万が一根本的に、考え方が異なる人と出会った場合。あまりにも話が噛み合わない場合には、ちょっと距離を取ったほうが、お互いのためかも知れません。下手な衝突を避けるためにも、ジェントルマンな方法論だと思います。
さきの話でいうと、僕の両親世代は①をガチで、実行させようとしてきます。そういう話題になりそうになったら「あー。やべー。あの感じだわー。にげよー」と悟って、サッと立ち去ることにしています。
これで、お互いに傷つかないなら、「それでよし」でしょう。
語郎