先日、2020年度の健康診断がありました。例によって、苦手な採血が・・・。いつものごとく横になって採血してもらったら、特に気分も悪くありませんでした。
採血自体は気持ち悪くなってしまうのですが、いざ採血を失敗されたことは無いのです。ちょっとした、小技を使っているからかも知れません。
世の中には、採血で失敗されまくって嫌な気分になってしまう方も、いらっしゃいます。もしかしたら、この記事を見て下さっている方のなかにも、「採血を失敗されやすい体質」の人がいるかも知れません。
そういった方に向けて、失敗されてしまう可能性を減らす方法を、記録させて頂きます。ただし、効果は確実ではないですし、失敗には不可抗力な要素も多いです。そもそも、実施する医療者の技術によるところがあります。軽く参考にしてくだされば嬉しいです。
・失敗の要因
じゃあ、なぜ「失敗されやすい人」が存在するのか、という話になるわけです。そこを整理しないと、対応策も取れません。
「よく失敗される」と一口に言っても、その事情は様々なのです。おもに、採血を受ける人における、失敗されやすい事情を考察します。僕の体験と、教科書的な知識も組み合わせて、まとめます。
①血管自体の性状の問題
・血管が細い人ですと、やはり失敗されやすいです。血管のなかに針を入れるわけですから、やはり血管の径が大きいほうが成功しやすいですよね。
・動脈硬化などの問題で、血管の壁が厚くて硬い人も、難しいと言われています。なぜかと言いますと、針をあてる時に硬い血管壁のせいで滑りやすいためです。血管の中に、うまいこと針が進めにくいのですね。
・ご高齢の方や、抗がん剤治療を受けている方に、生じうるケースがあります。それは、血管の壁が「荒れて」しまうことです。通常の血管の壁は、弾力があって「しまり」がよいのです。
しかし、血管の壁が「荒れて」いますと、針を入れた血管の傷口が開いてしまいます。すると、血管の傷口から、じわじわ出血が広がり、血豆みたいになります。うまく採血が出来なくなるのです。
②血管の周りの組織の問題
あまり強調されることは少ない問題ですが、「血管の周りの組織」の影響は大きいと感じます。
とくに、ご年配の方に多く見受けられるのですが。血管を支える結合組織が、加齢で緩くなります。そうなりますと、血管が「動き」やすくなってしまいます。こんな状態では、うまく針をあてられず、失敗しやすくなります。
また逆の話として、筋肉質すぎると、これまた失敗しやすいのです。筋肉の中に、血管が埋もれてしまう人が、いらっしゃいます。刺すときに、あたりにくい状況に陥ります。
・対策
ざっと、ご紹介したように、いろいろ要因があります。ちょっとやそっとで、改善できるような問題ばかりではないです。加齢の要素もありますので、こればかりは厳しいでしょう。「血管が細いとか、どうしようもない」と思われた方も、いらっしゃるかと。
ただ、そうはいっても、対応策はあります。いずれにせよ、「血管に針があたりにくい」わけです。つまり、血管をすこしでも膨らませることができれば、有利です。
そのため採血前には、軽く飲水をすると良いでしょうね。カロリーが入っていると、血糖値に影響がありますから、御法度になっちゃいます。カロリーのない水やお茶が理想です。
実際、採血前には、僕は水を飲むようにしています。いくらか、採りやすくなっていると思います。
語郎