有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

情報の洪水に流されないためには?【徹底的に、疑う】

2020年の年明けとくらべると、新型コロナウイルス関連の「情報パニック」は緩和された印象があります。それでも、まだまだ新規の情報も多く、緊張感は解けません。

 

仕事柄、いろいろな人と接します。先日僕のもとに、「ニュースサイトやSNSなどの情報源が、すごいストレスです。ストレスだけど、つい心配で見てしまう」と嘆く中年の女性がいらっしゃいました。これでは、コロナに感染していなくても、気持ちが滅入るでしょう。調子も悪くなります。

 

僕なりに考える、こういった情報源とのかかわり方を、コロナ禍のいま、記録しようと思います。

 

結論としては、「ストレスになるくらいなら、こちらからシャットアウトしましょう」という話です。

 

 

・情報源から、適度に遠ざかる

ぶっちゃけ、人生経験が乏しい僕が、患者さんやお会いする人にアドバイスできる立場にないのは重々承知です。大したアドバイスではないかも知れません。

 

冒頭の方に対して、僕は「見なくていいですよ。ネットも何も。スマホも、ニュースサイトも、動画も」と言いました。続けて「そういう、ストレス要因になりそうな根源から、身を引くのが防御策ですよね」と。

 

「どこの誰ぞが、書いているか分からない情報も多いです。仮に健康関連で医者が執筆していたとしても、やはりポジショントークというか。真に受けないでください」とお伝えしました。「厚生労働省や、米国のCDCなどは、参考になります。それらも、現時点で正しいと思われている情報を示しているだけですので」とまとめました。

 

 

どこか、救われたような表情をしていたのが、印象的でした。すっきりした様子で、帰られました。

 

 

・徹底的に、疑う

もちろん、正しい情報を広めるために、努力されている方は多いと思います。むしろ、そうであって欲しい。ところが、ネット社会では真偽不明の情報が、とにかく多い。

 

ネットやSNSでは、「これをやって、月収◯◯万円達成」だとか、「これで身長が◯◯センチ伸びました」などのコンテンツ記事を見かけます。お金のことやコンプレックスになりがちなことは、「煽る」ことでよく売れるのです。情報商材のネタになりがちです。

 

こういったネットでの煽りが、真実かどうかは、大変に立証しにくいでしょう。お金にまつわることなら、いっそのこと確定申告書なり、預金口座なりを部分的に生データで公開(個人情報を隠して)すれば良いのに、それをしません。まあ、あからさまですから、やられても困りますが。

 

仮に、そういった数字が画像であがっていたとしても、「それが真実なのかどうか」は立証不能です。なぜなら、今の時代ですと、いくらでも画像偽装ができるからです。有名な「かぼちゃの馬車オーナー」事件では、投資家の預金金額が、関係者によって改ざんされ、銀行が融資しました。実際にあった話ですよ。

 

データや証拠画像を見せつけられても、「本当にその人のデータなのかどうか」、本質的に立証ができないのです。このように、立証する術がないため、「基本的には、信じない」ほうが良いと思います。嫌な思いをしたり、詐欺にあわなくて済みます。「極限まで疑う姿勢」が大事だと思うのです。

 

 

 

こうやって僕が書いている、この記事内容すらも、疑ってかかる。そんな情報リテラシーが、今まさに必要だと思うわけです。

 

 

語郎