有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

義務教育で教えない「離婚とお金」。非モテ医者、エグすぎる実態に卒倒寸前。

 

kataroh.hatenablog.com

 

・離婚と費用

「ああ、またコイツ、金の話か・・・」と呆れた方が、いらっしゃるかも知れない。冒頭のリンク記事では、「思ったより教育費は高いぞ」といった話だった。しっかりした教育を子供に施そうとすれば、ワンルームマンション程度の額になりうる、といった話。

 

この記事では、「離婚とお金」の記録としたい。ちょっと縁起でもないが。

 

ハナっから離婚を想定して、結婚するハズがないとは思うが。事情はどうあれ、どうしても離婚に踏み切る夫婦もいると思う。そして、離婚は思ったよりも費用がかかってしまう。

 

「結婚をする気もないのに。離婚費用のことを考えるなんて、今から考えすぎだから!」と上司に笑われてしまった。果たして、そうだろうか。笑って済ませて良い問題なのだろうか。

 

そもそも、離婚に関する費用のことを熟知して、結婚する人がどれだけいるのだろうか。

 

無知は自分の首を絞める。脳ミソに知識が入っていないと、あとで損する。

 

 

 

・ようは、山分け

遠い親戚に、離婚した人がいる。そのため、この離婚費用のプロブレムには、前から関心があった。

 

いろいろな離婚費用は存在するのだが。ざっくり言えば、下のようなところ。

・婚姻費用:所得が多いほうが、少ないほうへ、毎月負担する生活費。

・財産分与:婚姻中に夫婦で蓄えてきた財産を、合算して山分けする。

・慰謝料:精神的苦痛に対して、支払うお金。

細かい費用(弁護士への顧問料など)といったものは除外している。ここでキモになるのは、「所得が多い方が、少ない方へ向けて、出費する」という点である。ここはすごくキモである。脳髄に叩き込んでほしい。

 

例えば、共働き世帯を考えてみる。夫の年収600万円、妻の年収500万円では、差額が少ないため、夫の負担も少ない。こういったケースでは、「お金」の抗争は起きにくい。

 

悲惨なケースは、稼ぎのあるサラリーマンや自営業者である。夫の年収2000万円、妻は専業主婦。こういった場合、夫は悲惨である。単純に、年収の差額がデカすぎる。夫の婚姻費用の負担額は、月々で30万円近くなってしまう(ただし、年収2000万円を大きく上回る場合は、個別の事案として検討される)。これが離婚成立まで続く。

 

離婚成立まで、だいたい2~3年は短くてもかかるとする。なれば、30万円×12ヶ月×3年=1080万円。婚姻中の財産の分与も入れると・・・。恐ろしくて、吐き気がする。

 

もちろん、上記については子供の有無や、自営業者や給与所得者によって異なる。詳しい数字は、裁判所の「司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)」にある表を見てほしい。まとまった表のデータが手に入る。

 

 

 

・もはや義務教育にすべきレベル

たとえ離婚しないにしても、こういったグロテスクな「離婚とお金」問題を、把握することは大切だと思う。

 

なぜ、これほどまでに重要な内容を、義務教育で教えないのだろうか。個人的にはいつも思う。ノートに二次関数のグラフを書いて、ノンキにy軸方向へ並行移動させている場合ではないと思う。もっとエゲツない、銭の話をすべきである。

 

それでも、結婚したい意欲があるならば、ぜひ踏み切って欲しいと考える。そのへんは個人の自由であるからだ。あくまで今回は「離婚」の話である。結婚を躊躇させようという意図は、僕にはない。

 

 

 

語郎