「入局するのか、しないのか、迷っています。先生、どうしましょうか?」
「みんなは入局するみたいなので・・・・」
先日、ともに仕事をしていた若手の女性研修医に尋ねられた。
「一度は話を聞きに行ったら良いと思うよ。選択肢は沢山持っておいたほうが良いと思うからね。医局と市中ともに、見学したらどうかな。」と、そんなノラリクラリとした回答しか出来なかった。
何気ない会話の一コマだが、個人的にはこの中に医師キャリアとそれを取り巻く労働環境などが垣間見えた気がした。なぜなのか・・・・。
「みんな」に引っ掛かった。「みんな」「周り」・・・・。
「みんなもこの問題集やっているよ」
「周りが焦ったら、勉強しなきゃだね」
そんな調子の会話を聞き飽きた。
「みんな」と一緒にCBTの勉強をして
「みんな」と一緒に国家試験の勉強をして
「みんな」と一緒に研修を終わって
「みんな」と一緒に専門医を取って
「みんな」と一緒に学位を取って
「みんな」と一緒に開業して・・・・・・・・
恐らく医学生に限らないだろうが、同調圧力が強いのだろう。「みんな」「周り」を気にする余り、自分のやりたいことや心の声を聴けないのだろう。
その中で、この同調圧力ひいては責任感を悪用するようなスキームが存在することを忘れてはいけない。
次回以降は具体的な医師のキャリア、一般の労働問題から考える解決策を語りたい。
語郎