・アゲハチョウは、偏食家
・種から、柑橘類を育てる
・発芽を成功しやすくする術
・アゲハチョウは、偏食家
アゲハチョウは、とっても偏食なのです。一部の例外はありますが、ほとんどが柑橘系の葉を好みます。そのため、成虫も柑橘の葉に卵を産みつけます。
「今年から、アゲハチョウを育てる!夏になったら、公園で幼虫を探すぞ!」と思い立っても、残念ながら、見つけるのは難しいです。と言いますのも、目が慣れていないと発見できないからです。
公園で発見できないからといって、直ちに、あきらめることはありません。もっと見つけやすく、管理しやすい方法があるからです。
僕の実践録をふまえて、ご紹介します。
(一通り読んでいただければ、なぜ12月という冬にこんな記事を書いているのか、お分かりいただけると思います。)
・種から、柑橘類を育てる
「なぜ、公園だと幼虫を発見しにくいのか?」。自分なりに答えを考えました。ずばり、「葉の量が多すぎるから」です。
公園に植えてあるような柑橘の木は、相当年数が経過しています。そうなりますと、当然のことながら、葉も多い。そのなかで、初心者が幼虫を単独で見つけるのは至難のわざです。
ですから、いっそのこと、小さい苗で観察すれば良いのです。
①ホームセンターで購入する。
②種から育てる。
自然科学の学習としては、②のほうが、よりベターかも知れません。どうしても余力がなければ、①もアリ。
くわえて、②ならではのメリットも。それは、散布系の人工農薬を使用しない(自分で使わない限り)ので、幼虫に害を与える可能性が低いことが一つ。①ですと、けっこう農薬がかかっており、幼虫にとっては致命傷になってしまうからです。
もう一つ。それは、②の場合は、芽吹いた場合には完全な新芽です。そういう柔らかい葉を好んで成虫も産卵しますので、そういった意味でもメリットです。①のホームセンターの苗木ですと、すでに硬くなっている葉もありますから。
・発芽を成功しやすくする術
柑橘類は、寒さに弱いです。暖かくなると、芽吹きます。「では、どの柑橘の種が良いのか。というか、そもそも、種はどこで入手するのか」という話ですね。
普通にスーパーで売っているレモンやミカンの実のなかにある種を、植えることになります。
前述のとおり、寒さに弱いものですから、冬場のあいだは部屋の中で小さな鉢で育てるのがベスト。いよいよ芽吹き、春先になったら外に出すと良いでしょう。冬場が勝負です。大量の柑橘を購入して、食し、種を入手して、部屋のなかで植えつけます。冬場こそ、アゲハチョウ飼育家にとっての「書き入れどき」です。
では、発芽しやすくする方法を、まとめて列挙します。
①種を取ったら、水を入れたペットボトルに浸からせる。その後、よく攪拌する。沈んだ種は、中身が詰まった良い種。水面に浮かぶのは、軽くて微妙な種。沈んだ種のほうが、発芽率が良い。
②種の「ぬめり」を取る。
③水に、半日~1日程度で浸す。あまり長時間になると、腐る恐れがある。
こんな感じです。土については、また奥が深いので、べつの機会で。
語郎