・ファンダメンタル分析って、なに?
ファンダメンタル分析、という単語を聞いたことのある方はいるだろうか。株式投資における分析手法の一つだ。株価チャートから投資基準を決定するテクニカル分析とは、対をなす概念である。
ファンダメンタル分析には、会社の決算書を読む技術が要求される。数字を単純に眺めるのではなく、その企業の価値を推定できる力が必要だ。
株式投資に際して、とても参考になる概念だと思う。また、このファンダメンタル分析を通じて決算書に興味をもてれば、それはそれで知見が深まる。詳細な点までは難しいが、軽く概要だけでもイメージしやすくお伝えして、記録とする。
・「不要カード入れ」を漁る日々
いきなりファンダメンタル分析の話をされても、ワケが分からないと思う。ちょっとイメージしやすい話を挟ませてほしい。
中学生のころ、学校でトレーディングカードゲームが人気だった。僕も熱中していた。ただ当時からケチくさい僕は、カードを普通に購入することを異常に嫌っていた。カード代がもったいない、と感じていた。カードで遊ぶつもりなのに、経費をかけたくない。まったくムシのいい話である。
さて、カードを入手する方法には、なにがあるだろうか。ちょっと考えてみてほしい。
・普通にパック(6枚入り等)で買う。コンビニで売っている。
・友達と納得のいく形で交換する。
・カードショップなりに行って、単品のカードを購入する。
とまあ、こんな程度だろうか。
だが、まだ残された手があるのだ。ちょっと仰天かもしれないが、次のケースがある。カードショップ限定の話だ。
・「ジャンク品」扱いとして、1枚10円や、高くても500円程度で売られるブースがある。常にブースがあるわけではないのだが、稀に出没する。
・「不要カード入れ」として、タダで置いてある。こちらも稀に出没する。捨てるのも勿体ないから、くれるようである。
当時から守銭奴状態の僕は、さっそく「ジャンク品」と「不要カード入れ」ブースに入り浸るようになる。そこで稀に出没する、ナイスなカードを入手するのである。まったく、とんでもない習性の野郎である。
・「ジャンク品」「不要カード入れ」ブースにおける値段
この例を通じて示したいのは、「ジャンク品」「不要カード入れ」ブースにおける値段と、「僕の中での価値」から算定した値段のズレである。
お店の人は、サービスで安売りするつもりだったのだろう。その一方で、僕にとって、或いは欲する人にとっては「非常においしい買い物」になっていた可能性がある。
ましてや、値段が0円というのは、スバラシイ。買い手にとっては、これ以上ない、ウレシイ買い物である。
・実際の株式市場では・・・
株式市場では、上場している会社の株がやりとりされている。その株価は、あくまでも株式市場での値段である。株式市場において、人気があるかどうか、といった問題にすぎないのだ。
それに対して、決算書から判明する会社の当期純利益、営業利益などの利益に関する指標や、財務状況は、株式市場とは独立して存在する。
そう、そこに「ひずみ」が生じるのだ。
株式市場では安く評価されているが、実際の決算書上では確実に利益を積み上げており成績も良好。こういった会社の株価は、将来おおきく上がる「可能性がある」とみる。
では何故、決算書の数字と株価を連動できるのか。これも実に単純な話だ。株式市場において、ある会社が発行している株式数は公表されている。会社の純資産を株式数で割り算すれば、理論値としての「一株あたりの純資産」など朝飯前に計算できてしまう。これと実際の株価を比較すればPBRの出来上がりだ。
もっと複雑な指標は山ほどあるため、ここらで終了。
お宝を夢見て、決算書を睨めっこする日々を送るのである。
語郎