2018年夏に飼育したナガサキアゲハの写真を紹介する。卵から飼育するのが僕のモットーである。卵から飼育したほうが、達成感があるからだ。そうは言っても、幼虫から飼育することもある。今回は幼虫からのケースだ。
自宅の近所の公園には、大きなミカンの木がある。いつも散歩するコースに含まれている公園だ。昔から、「いかにもアゲハチョウの幼虫が居そうな木だな・・・」と目をつけていた。毎年実をつけるし、昆虫も沢山寄ってくる。アゲハチョウは春先から夏場にかけて活発になる昆虫であり、幼虫も夏場に目立ってくるのだ。
そのミカンの木のそばを通るときは、幼虫が気になってソワソワする。好奇心に耐え切れなくなり、葉についている幼虫を探しまくった。30分ちかく捜索したところ、2匹のナガサキアゲハ幼虫を確保した。
その幼虫は1齢幼虫(孵化後数日しかたっていない幼虫)だったのだが、写真が現存していなかった。5齢幼虫(さなぎになる前の幼虫)から紹介する。
幼虫本体は緑色をしている。まわりには糞が転がっている。分かりにくいかもしれないが、糞は一部が凹んだ形をしている。それにしても食欲旺盛だったと記憶している。朝ミカンの葉を6枚ほど飼育箱に入れても、夕方帰宅すると全部なくなっているのだ。アゲハ類の中でも特に大きいとされるナガサキアゲハ。バクバク食べて、モリモリ育っていった。
バクバク食べている。頭部にある目玉マークがおしゃれである。一説によると、この目玉マークは蛇の目を模しているとのことだ。写真では確認できないが、幼虫の頭部には臭覚という、敵を追い払う臭い分泌液を出す器官がしまい込まれている。普段は見えない。敵を威嚇するときに、赤い臭覚(種類によって色は違う)が飛び出る。目玉マークと赤い臭覚が、敵に蛇を思い出させるようだ。
サナギを経て、成虫になる。
ナガサキアゲハ成虫である。後ろの羽に突起構造がないのが特徴だ。名前のとおり、長崎県など南の地方でよく見かける種類のアゲハだが、温暖化の影響で北上している。最北端だと福島県でも発見されている。地球温暖化とリンクしているのだと痛感させられる。
自作の飼育カゴの中にケースを入れて飼育していた。
幼虫は葉を食べるが、成虫は液体しか飲めない。少しでも長生きさせるべく、ミネラルウォーターを薄めてティッシュにしみこませたものを与えた。よく飲んでいた。なんともシュールな絵である。
今年は自宅でミカンの木を植え付けて、アゲハ幼虫を育てる計画をしている。木を4本ほど購入したのだが、幼虫が発生しなくて絶望している。
夏季休暇では山林で幼虫を採取する予定だ。
語郎