少しでも投資関係の詐欺被害者が少なくなる事を願い、記録した。この世から詐欺が無くなれば良いと常日頃から思っているのだが、全く消える気配がない。それどころか世の中には新たな詐欺手法が次々と誕生している状況だ。皆で自衛するしかない。
以前このブログで、資産運用を実践するにあたって、怪しい投資話には気を付けるように促す記事を書いた。今回は具体的な怪しい投資話について、典型的なスキーム(手法)を一つご紹介したい。参考文献をご紹介する。『だましの手口』という書籍で、西田公昭氏が著者である。実際に読んでみて思ったのは、世の中にはとんでもない悪人がうじゃうじゃ蠢いているという事だ。人をだますことに何の躊躇いも無い、困った人たちがたくさんいるのだ。あの手この手で襲い掛かってくる。
このページでは本の内容を詳細に紹介しない。今回紹介するスキームに関する記載が少なかった為だ。どちらかと言えば「●●商法」といった内容が主であり、そういった事例を知りたい場合には大いに参考になる。読んでみてはいかがだろうか。とてもためになるだろう。
さて、前置きは終わった。紹介したいのは、ポンジ・スキームといわれる詐欺の手法だ。周りの医者仲間・投資仲間・仲の良い友人には決まってこの手法を知っているのか尋ねるのだが、「知らん。なんだそりゃ。」といった反応が多かった。しかし、この手法、なんと100年近く前からある伝統的(!?!?)な詐欺手法。おそらく知らない詐欺師は居ないだろう。
簡単にこの手法を要約すると、
投資家から集めた資金を投資には運用しない。プール資金から配当金を捻出し、あたかも”正しく”投資されているように見せかける。現実には何の投資もされていない。投資家(まあ被害者だが)が集っているうちは回るが、新規参入の投資家が居なくなった途端に資金繰り出来なくなり、破綻する。
本当に良くできた手法だ。賢い方ならお分かりかも知れないが、先に参入した投資家は儲かるのだ。これがミソ。先に参入した投資家には、元本を回収する時間的猶予があるためだ。放っておくと確実に破綻する仕組みのため、早くから参入して利益を得てから元本を回収して飛ぶのだ。後から入った投資家は元本すら回収できずに大損する。
聞くところによると、世の中の投資詐欺のほとんどがこれに該当するらしい。要は骨格は同じなのだ。登場する”商品”が違う。最近は「仮想通貨×ポンジ・スキーム」が流行っていると聞く。
このスキームを見分けるコツがあるため、伝授したい。
- やたらと高利回りを謳う。10%なんてざら。
- 詳しい投資内容については、はぐらかす。
よく言われるネズミ講に近い。近い、といったのは厳密には違うからだ。ネズミ講は親子関係による階層化が特徴だが、ポンジ・スキームには階層すらない場合がある。いわば、より緩い詐欺スキームなのだ。まあ両者の違いは、より専門的な内容になるので割愛させて頂く。
今後も投資詐欺については紹介したい。より具体的に数字を交えて事例を示していく。
語郎