2022年の2月に読んでいた書籍のご紹介。ひさしぶりに硬派な経営本(?)を手に取ってみましたよ。
より正確にいえば電子書籍で買ってみましたよ。
『ブルー・オーシャン戦略』
出版社:ダイヤモンド社 、 著者:W・チャン・キム、レネ・モボルニュ
おススメ度:★★★★
「ブルー・オーシャン」とか「レッド・オーシャン」って単語を日常生活で聞いたことがあるかと思いますが、その元ネタの書籍です。そもそも、これらの単語は、経営論の研究者である著者らが発案した経営理論なのですよね。
内容はゴリゴリの経営論・マネジメント理論といったところ。
「ブルー・オーシャンの意味は分かるけれど、具体的にどうしたら良いのか」って謎に、いくつかの解を与えてくれます。
現実に存在する企業研究がベースなので、イメージも湧きやすかったです。
ネタバレしない範囲で概要をさらいます。気になる人は自分で買って、読んでくださいなー。
概要
章立て
第一部:ブルー・オーシャン戦略とは : 序章パート。フレームワークの紹介。
第二部:ブルー・オーシャン戦略の策定 : 開拓するためのアイデア紹介。
第三部:ブルー・オーシャン戦略の実行 : マネジメント論。
第一部と二部については、他者と競争しないアイデアの作り方が分かります。個人でも生かせるネタが多い印象です。
第三部については、どちらかといえば経営幹部向けの話題だと感じます。
そもそもレッド・オーシャンとは
競争する相手がやたらと多く、利益を継続的にあげにくいフィールドのたとえです。
レッド・オーシャンに参入すると、次の2者択一になりがちです。
・低コスト路線:クオリティー(他者との差別化)を犠牲にして、開発コストを浮かせる道を走る。
・高クオリティー路線:無駄にクオリティーを優先するが、反面、コストがかさむ。
要するに、コストとクオリティーのトレードオフになってしまうわけです。
ありていに言えば「量産型が競いあう旨味の薄いフィールド」ってところです。
ブルー・オーシャンの作り方
上記のレッド・オーシャンの考え方を見直します。
「顧客にとって不要なものは削り、本質的に需要のあるものを取り付ける」。
この発想であれば、低コストと差別化の両軸を実現できます。
アイデアの浮かんだあと
活気的なアイデアが浮かんだとしても、いざ作ったサービスが顧客のニーズに噛み合っていないなら、利益を継続的に生み出すのは難しいのです。
「作って、満足した」みたいなパターンに陥らないためにも、忘れてはならない視点だと感じました。
ブルー・オーシャンの実行
ブルー・オーシャンをいざ実行しようとしても、働く従業員は発想を受け入れがたいものになります。下手したら反発を食らい、まともに実行できなくなります。
経営者と前線にいる人たちとの議論を共有する場所が、必要なのだそうです。
個人的見解
日本人って、なんか、こう、「努力しまくった先に勝利がある」みたいな根性論が好きじゃないですか。少年漫画みたいな、アホくさい考え方。
自分、前からそういった根性論が苦手でして。
競争していく過程で結局みんな似通ってきて、知らず知らずのうちに量産型になってしまい、競争に参加しているプレイヤーは喘ぎ苦しむ。
「競争しない方が利口じゃね?」って常々、思っているんですよね。
他者との差別化の視点と、最終的な目的への志向をもってみると、案外すんなりいけちゃうんじゃないかって思うんですよね。
いろんな示唆を含んだ名著でした。
ごちそうさまでした。
語郎