またまた、AI関連の書籍をご紹介。昨年2021年の12月の中頃に購入し、通読しました。
最近はPythonのなかでもディープラーニング関係の書籍にハマっており、実のところ、この本がきっかけだったりします。僕にとって、この本が機械学習への関心の起爆剤になりました。
どういう経緯で買おうと思ったのか、あまり覚えていません。書店のPython書籍棚を漁っているうちに、たまたま発見した感じでした。
ディープラーニング関連は環境設定がややこしいと聞くし、手持ちのGPUも無いし、そもそも論、機械学習とAIに全く関心がなかったのですよねー。もう1ミリも、毛ほども、関心がありませんでしたねー。なんなら、あえて避けるほどでした。かなり、どーでも良い存在でした。
でもこの本をパラパラと立ち読みで見たところ、ブラウザでサンプルコードを実行できると知り、「実践重視だし、ちょっと試してみるかなぁ」と当時の僕は思ったのです、たぶん。
まさか、この本がきっかけで、これほど機械学習に取り憑かれるとは・・・・。
『人気ブロガーからあげ先生のとにかく楽しいAI自作教室』
出版社:日経BP 著者:からあげ
おススメ度:★★★★★
AIを駆使したアプリケーション(後述)を、Google colaboratoryというブラウザ環境で組み上げます。この環境は秀逸で、Googleのアカウントがあれば、基本、誰でもPythonコードをブラウザ上で実行できるのです。
しかも単なるPython環境というだけでなく、あらかじめ機械学習関連のライブラリがインストールされていますので、手間が省けます。またGPU実行モードもあるので、重ためな画像処理のコードも動かしやすいのが特徴。
あまり知られていないようですが、便利です。なんかGoogle colaboratoryの宣伝みたいになっちゃいましたので、書籍の話に戻ります。
内容は前述のとおり、かなり実践的です。ちゃんとブラウザ上でプログラムが動くので、飽きることがありませんでした。実際に動くことを知り、ひとつの「成功体験」になりました。
「小難しい数学の理論はさておき、実際にAIのプログラムが動くのをみたい」っていうモチベーションがある方には、大変オススメです。
例によってネタバレしない程度に紹介します。リンクは貼らないので、気になる人は自分で検索してください。
概要
注意点
先に紹介したGoogle colaboratoryは、Linuxコマンドでディレクトリ操作します。同期したGoogleドライブからファイルをコピーしたり、とコマンド操作が必須です。Linuxコマンドがわからなければ、逐一調べるか、別のLinux書籍も参照しましょう。
他にも、まあ当たり前ですが、Python文法が一通り分からないと意味不明になってしまいます。
またTensorFlowなどのよく使用されるライブラリも、できれば使ったことがあるほうが理想です。かなり実践メインなので、各論の細かいコードの挙動は、各自で理解する必要があります。
と、そもそもの基本技術に馴染みがないとハードルが高い気もしますが、わりとその辺は割り切って、コピペでもいいので実行するのが大事かと思いました。
内容一覧
AIの概要
AIの進化の歴史の説明。書籍で取り上げられる技術の概要紹介。
画像認識:CNN
じゃんけんの手の形を画像として学習させ、実際に判定させます。
自然言語処理:Word cloud、マルコフ連鎖
Twitter、ブログを対象にテキスト分析とテキスト生成を実装します。
画像生成:GAN
敵対的生成ネットワーク技術をもちい、ノイズデータから手の形や存在しない人の顔の画像を自動生成します。
姿勢推定
人体の関節位置を学習させて、姿勢を判別させます。
エッジコンピューティング
Raspberry Piなど、いわゆる「組み込み系」とAI技術の紹介。
個人的見解
個人的にはGANに興味が湧きました。自動で顔写真とか絵を作るとか、凄すぎません?
ここまでくると、いわゆる「クリエイター職」は今後淘汰されるのではないか、と。
「複数の漫画家やイラストレーターの絵から学習させて作った漫画は、誰のもの?」
「この顔は実在しないモデルさんの顔だけど、肖像権はどこにある?」
ってなりそうです。
クリエイター、作家、モデルの大淘汰時代が来る、と思ってます。どんどん低賃金で駆逐されることになるでしょう。
CNNからはじまり、画像判定技術はどんどん進化してて、時間の問題で人間を追い越す(というか追い越し済み?)って話も。こうなると、もはや人間の目のほうが信用ならない。
やっぱり機械って人間より、賢いな、高性能だな、かっこいいな、って思いました。 もっと人工知能が人類の社会に入ってきて欲しい、と思いました。
語郎