最近読んでみて、すごく良かった書籍をご紹介します。他にも色々読んだのですが、その中でも特に勉強になったというか、興味をそそられた本です。
2021年12月の初旬に読了しました、ベストセラーの『ストーリーとしての競争戦略』。かなり骨太で分厚い書籍でしたので、大変面白かったのですが、読み終えるのが正直大変でした・・・。
マーケティングや起業方面に行った友人のなかにも知っている人が多かったです。それくらい名著なのかも知れません。
本格的なネタバレは避けて、話のキモになる部分だけをかいつまんでみようと思います。
『ストーリーとしての競争戦略』
東洋経済新報社 、楠木 建(著)
おススメ度:∞
タイトルどおり、企業が勝ち抜くための戦略についての書籍です。
実在する企業の成功ストーリーを分かりやすく解析し、「成功の法則」を体系化して解説されています。
私事なのですが、僕の大学の同期はやたら事業を起こしており、かつ僕の親戚も医療で開業している人が多かったものですから、自然と事業を起こすことに関心がありました。なんとはなしに、事業を起こすときの思考法とマーケティングを展開するときの方法論を知りたいと思っていたので、読んでみました。
起業というほど大げさなものじゃなくても、こうやってブログとかYouTubeとかでコンテンツを作成する際にも大いに参考になる考え方だと思います。
いかんせん、分厚い本で内容も多岐に渡るため、なかなか要約してエッセンスをお伝えすることが難しいです。軽く参考にしていただき、ご興味があれば、是非自分で読んでみてください。
概要
以下、キモになる部分だけ、かみ砕いてお伝えします。
ネタバレは避けています。
事業成功の秘訣とは・・・
ものっすごく簡略化して言うと、「事業が成功するには、業界の王道や常識とはひと味違ったビジネスをして、最終的な利益創出の理屈を通すこと」。これがキモです。
どうすれば成功して、世界的な企業が生まれるのか。著者は「事業を動かすストーリーが面白く、動画としてイメージが浮かぶような企業が勝つ」と。巷にあふれる「フレームワーク」の類を静止画的と批判されており、実際に要素が噛み合わないと秀逸なビジネスとして機能しないとおっしゃっております。
大成功した企業の成功事例を解析すると、やっぱり「ひと味違ったこと」をビジネスに取り入れていることが分かります。時代背景もあるかとは思いますが、2000年代初期のITバブルで散っていったIT企業の末路も詳細に書かれています。「時代はIT。eコマースだぜ、イエーイ」みたいなノリで参入したIT企業は、ことごとく散っています。ITという「手段」だけ取り入れてしまい、肝心の価値提供や独自性や人間の本質を追いかけて来なかったために、苦戦を強いられていたのです・・・。
事業を回す際の方向性
がむしゃらにやってもダメで。あらかじめ方向性を見定めるのが大事。
なにより重要なことは、「ライバル企業に簡単にマネされないようなビジネスをする」ことです。
① コンセプト作り
お客さんに提供する価値の「本質」を定義します。
ここが明確じゃないと、あとの議論が総崩れになってしまいます。
② 最終的な利益創出の過程
・質の良いものを作り、商品の値段をあげるか。
・沢山作ってコストを下げるか(規模の経済)。
利益を出すには、上記のうちどちらかをチョイスします。
「高いものを売って利益を出す」のか「製造コストを下げて利益を出す」のか、ってことですね。2つが両立するのは難しいものです。
③ 「違い」で攻める
上記①と②を実現するために、他の会社との「違い」が重要になってきます。 とはいえ、「違い」と一口に言っても奥が深いもので。
・他の会社がマネできない、ノウハウ的なものを極める。
・どこで闘うか、の位置決めを厳格に決める。
こうやって違いを積み上げながら、決定打となる「違い」を作り、持続的な利益を目指す。
大まかな理論は上記のとおりです。
いろんな企業が出てきて面白い
・アスクル
などなど。 どれも巨大で有名な企業ですが、ちょっと業界の常識とは違うことをやってます。
気になる人は、ぜひ読んでみてくださいな。
感動します。
個人的見解
先に書いたとおり、こういった戦略的な思考法は、ブログなどのコンテンツ作成でも有効かと。
とはいえ。
バズりそうなコンテンツや炎上しそうなコンテンツで注目を集めて、サイトのPVを確保して、サービスをくっつけて、サブスクリプションの課金につなげる。
とくに脳がなくても思いつきそうな方法論ですが、やはり同じようなことを他の人も考えているわけで。
誰でも思いつきそうなものですと、コピーされやすいですし、大きな意味での「差別化」が出来ません。
流行った時点で陳腐化している、ということは世の常なのでしょう。
こういったブログ記事にしてもコンテンツにしても「ガムシャラに努力すればよい」という単純な話でもないですし。
ゴールを見据え、その中で他の人と違った差別化をする。
言葉にすると簡単ですけれども、実際にはすごく難しいですよね・・・。
ときには勝負を降りて、違ったフィールドにリソースを投下するのも、立派な戦術なのでしょう。ガムシャラな努力だけが全てじゃありません。
ごちそうさまでした。
語郎