記事でも取り上げていたとおり、アゲハチョウ幼虫はサナギの前には下痢をする。一生に一回だけの、激しい下痢だ。
昨晩の23時頃から葉を全く食べなくなった。それと同時に、糞をする頻度が多くなってきた。そろそろ頃合いだと感じていた。そう、下痢の頃合いである。しかし待っていても、なかなか下痢をしてくれない。クロアゲハ幼虫の肛門を、40分近く見つめ続けた。完全に変態である。
もう寝ようかと思った0時過ぎ。「ブツブツ・・・・ブツブツ・・・」といった不穏な音が飼育ケースから聞こえてきた。もしかして、と思って目を向ける。案の定、ド派手な下痢をしていた。
下痢の瞬間をとらえることが出来た。動画でも撮影出来たのだが、アップロードの仕方がよく分からない。写真だけあげておく。今まで飼育をしてきて、下痢の瞬間をとらえることが出来たのは初めてだ。いろいろな飼育ブログを回ってみたが、肛門からの泡をとらえた動画は見当たらなかった。貴重だと思うので、こんどYouTubeにでも投稿しようと思う。
このような水っぽい糞を出す。もう泡は消えている。
下痢を確認できたので、興奮冷めやらぬ中、床に就くことにした。おそらく起床後にはサナギになる準備を終えているだろうと思った。
起床後は下のようになっていた。
飼育ケースの側面に張り付いている。うまくサナギになれる場所を探して、落ち着いたのだろうか。
せわしなく壁を動き回っている。
家を出る時には、この場所であった。ちょうどケースの壁面だ。頭部が飼育ケースの蓋と被ってしまった。分かりにくくて申し訳ない。一応はここに決めたのだろうか。
帰宅してみたら、下のような調子だった。
全く違う場所で準備を進めていた。壁は気に食わなかったのだろうか。少しケースをゆすってみると、バタバタと激しく身をよじる運動をした。生きているのは確実だった。
このような幼虫の段階を、前蛹という。ちょっとしたキーワードだ。餌を食べなくなってから、完全なサナギになる前の状態を指している。アゲハチョウに限らず、カブトムシやクワガタムシでも見られる状態。
この前蛹状態の時にはいくつかの注意点がある。
- つついたり、触ったりしてはならない。
- 強い衝撃を与えてはならない。
- じっとサナギになるのを待つのみ。
ここまで頑張って葉を与えてきても、前蛹状態のときに台無しになってしまう。この状態の時に、幼虫から成虫になる劇的な変化が体内で起きている。相当のエネルギーを使うのだ。下手にダメージを与えてしまうと、サナギになれない。
かつて僕も苦い経験をした。今でも思い出す。2匹の終齢幼虫を同時に同じケースに入れていた。一匹が先に前蛹状態になった。なったのは良かったのだが、もう一匹がやたらと前蛹状態の幼虫に体当たりしていた。相当衝撃があったのだろう。体力をもっていかれたらしく、サナギにならずに黒く腐ってしまった。
前蛹状態になったら、飼育ケースは分けるべきである。このフェースまで来ると、飼育者がしてあげられることは少ない。見守るだけなのだ。うまくサナギになれなかったとしたら、体力が持続しなかったか、或いは病気をもっていたか、だろう。
とても気になる時期ではあるが、じっと待つのだ。種類にもよるが、だいたい丸一日は前蛹状態である。長いと二日くらい。それくらいかけて、脱皮をし、完全なサナギになるのだ。
うまくサナギになれるのか、気になる。記事作成している横で、ビクビク動いている。頑張ってくだされ、クロアゲハ前蛹。
語郎