えぇーとですね。
これは、アタシが3年前の夏、
先輩に誘われて飲み会に行ったときの話なんですけどね、ええ。
仮に、その先輩をSさん、としておきましょうか。
Sさんに連れられて、
エレベーターで「ギュイイイイーン」って、40階まで登ってね。
会場の大きい扉が「ギィィィィィィ」って開くんだぁ。
はじめての夜景、はじめてのタワマン、はじめての飲み会に、
アタシはドキドキしたもんです。
Sさん、小慣れているもんだから、
とっとっとっ、と歩き回り、女性に話しかけるんだぁ、これが。
アタシは女性慣れしてなくて「やだなー、おっかないなー」って、
終始ビクビクしてました。
食欲だけは無駄にあって、ドカドカと皿にある料理を貪りました。
飲み会自体は普通に終わったんですがね。
そのあとに、妙なことが起きたんですよ。
飲み会で知り合った男性からだけ、LINEがやたらくる。
女性からは全くこない。
やだなー、こわいなー、なんか変だなー。
最初のうちは「あれ、おかしいなー。妙だなー」
くらいにしか思わなかったんですよ。
そのあとも、男性からはドカドカLINEがくる。
「今度合コンしましょうよ」「税金の勉強会ありますよ」などなど、
これがビジネスチックなんだぁ。
女性は音信不通。
おかしいなー、おかしいぞー。
あまりの非モテっぷりに、
頭から血の気がサァーっと引いちゃってね、
背筋がゾワァーっとして、
アタシは意識がスゥーっとしました。
あとで分かったんですがね、えぇ。
その飲み会の人たち、けっこうな人数の方がワンルームマンションを、
その飲み会の参加者経由で買っちゃってたんですよ。
そういえば、ツーブロック・ゴリラみたいな、
妙な髪型の男性がチラホラ居たんだぁ。
Sさん自体もワンルーム持ってるみたいなんですよ。
変なローン組まされて、おまけに物件は赤字の垂れ流しでぇ、えぇ。
あのとき変な男性からのLINEに乗ってたら、
アタシもいまごろローンまみれだったはずですよ。
やっぱりね、妙なことって、世の中あるんですよねぇ、えぇ。
アタシはゾーーーっとした、っていうお話でした。
語郎