・薄毛の科学
薄毛は、「ザ・コンプレックス」といった感じでしょう。身長や体型と並んで、悩む方が非常に多いです。そのため、最近では美容医療領域でも、宣伝をよく見かけます。
そういった「コンプレックス産業」として、治療の話題も十分に発達しきった感があります。情報も多く、ことさら、このようなブログで取り上げる話題でもないかと思っていました。
ですが、やはり、ライフハックを冠しているサイトとしては、ちょっと取り上げようと思います。せっかく見て下さっている方にむけて、簡潔にまとめようと思います。
・薄毛メカニズムの謎
そもそも論ですが。なぜ、頭髪が生えているのか。答えとしては、まあ単純です。それは、外部のダメージから、頭部を守るためです。かりに上からモノが落っこちてきて頭部に直撃したとしても、頭髪があればクッションになります。頭髪のおかげで、いくらかダメージが減ることが期待されます。
では、なにゆえ、普通に過ごしている人の頭髪が「自然に」薄くなってしまうのか。ぶっちゃけた話、よく分かっておりません。大事な頭部を守る要素が、勝手に消えてしまうのですから。生物の生存の観点からは、まったく「理」が通っていません。
最近では、男性に限らず女性の薄毛も、ちらほら知られるように。ここまでくると、ホルモンやら何やらとは別の、環境要因も、存在するのかも知れません。いずれにせよ、謎です。
・ホルモン説
とはいえ、やはり薄毛は男性に多いのも事実。両性での大きな違いは、ホルモンですので。自然とホルモンに関する研究が進みました。
実は、このホルモンに関する研究が面白いのです。去勢(睾丸を除去)した男性に、男性ホルモンを打ち込んで、薄毛が進むのか研究したり。そういった研究も、かつて行われたみたいです。ですが、ソースが曖昧で弱いため、あまり取り上げません。
そういった科学的な研究の結果もあって、薄毛に至るホルモンの経路が、だんだん分かってきました。以下に、お示しします。
テストステロン(男性ホルモン) ⇒ ジヒドロテストステロン(DHT)
テストステロンは、「男らしさ」を形つくる男性ホルモンです。これ自体で、髪の毛に悪さをするわけではありません。しかし、体内に存在する酵素(5αリダクターゼという)が上の式で矢印を進めてしまいます。すると、ジヒドロテストステロンという、頭髪にとっては悪玉のホルモンが出現します。
・DHTが、悪さする
このDHTが、毛根にダメージを与えてしまうようです。
そこから考えますと、薄毛に至りやすい人、というのは確かに存在しそうです。なぜなら、酵素の強さに関しては、一般に遺伝的な要素もあるためです。こればっかりは、仕方ないのかも。
そういうのであれば、治療としては、この悪玉を発生させにくくするのが理想ですよね。そこで、酵素(5αリダクターゼ)の動きを妨害する薬が、開発されました。よく効く人には、著効するようです。ですが、完全に薄毛が進行してしまうと、なかなか完全に頭髪が戻るのは難しいようで。
とはいえ、この治療そのものは、「DHTが悪い」という根拠に則ったものです。もしかしたら、もっと別の薄毛になるファクターがあるかも知れません。
実際には、まだまだ謎が多いジャンルなのです。
語郎