有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

【薬に頼らない】睡眠薬を使うまえに、試してみるべきこと【12条】

 ・睡眠薬の注意点

・不眠の影響

・睡眠衛生指導 12の指針

 

 

 

kataroh.hatenablog.com

 

 

睡眠薬の注意点

トップのリンク記事で、睡眠薬のアレコレを記録していました。安全に使えば、睡眠薬は眠りを助けるよい薬です。しかし、何ごとにも、よい面とわるい面があります。

 

節度をもって使うぶんには良いのです。しかし、わりと気軽に内科などで貰えるため、依存になりやすいのも事実。

 

病院のなかを見ても、不眠を訴える患者さんは、たいへん多くいらっしゃいます。そこで、けっこうな確率で睡眠薬の処方を受けます。それとは別として、病院に限定せずとも、身近な人でも意外と睡眠薬を使っていたりします。

 

それくらい、極めてポピュラーな訴えなのだろう、と痛感しています。

 

 

・不眠の影響

これだけ、不眠に悩んでいるようであれば、許容できる範囲で薬を使うのは、仕方ないでしょう。下手に不眠を我慢しすぎるのも、つらいと思います。

 

ですが、ちょっと立ち止まって考えてみますと。そもそも、「不眠」自体で、致命的な状態にいたることは、少ないです。たとえば「不眠の辛さでフラフラになってしまって、交通事故にあってしまった」という不幸なケースは、あり得なくは無いです。たしかに、こういったケースは、避けたいところ。しっかり眠るに越したことはありません。

 

ですが、「不眠」自体が直接的に、生命に危険をおよぼす可能性は、相当に低いのです。

 

 

・睡眠衛生指導 12の指針

「じゃあ、薬もダメなのか。この辛い状況を、なんとかして欲しい」と、そう思うでしょう。たしかに、薬は極力さけるべき。ですが、対応としては睡眠薬だけではないのです。質のよい睡眠をとりやすくする、方法論があります。

 

厚生労働省の不眠についての研究班が推奨する、12の指針があります。以下、「健康づくりのための睡眠指針 2014」(厚生労働省健康局)の冒頭の記載にのっとって、列挙してみます。ちなみに、誰でもダウンロードできる書類になっております。

 

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1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

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全体をつうじて、メリハリのある生活を、提唱していますね。とくに適度な運動を、推奨しているようです。

 

メリハリをつけるために、当然ながら夜更かしは、よくないですね。くわえて、10番の事項が、意外と知られていません。眠くなってから寝床にはいりましょう、というわけですね。

 

寝る時間ではないときに、ベッドや布団でゲームをしたりするのは、推奨されないようです。無意識のうちに、寝床を作業スペースだと体が覚えてしまい寝つきが悪くなるから、と聞いたことがあります。

 

 

語郎