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書籍『最短コースでわかるPyTorch&深層学習プログラミング』を絶賛【ディープラーニング関連】

 

ディープラーニング関係の書籍を年末年始で読了しました。

 

Pythonディープラーニングの基礎的事項は把握しておるのですが、

いままでフレームワークに触れてきませんでした。

 

TensorFlow・Keras、PyTorchは有名なディープラーニングフレームワークですが、

最新の論文やGAN・VAE関係ではPyTorchが利用されていることが多く、

PyTorchを触ることにした次第です。

 

んでもってPyTorchの書籍を調べたのですが、

ほぼほぼ日本語原著がありませんで(あったとしても古く)、

分かりやすそうな赤石先生の書籍にたどりつきました。

 

『最短コースでわかるPyTorch&深層学習プログラミング』

出版社:日経BP 、著者:赤石雅典

おススメ度:★★★★★

 

『最短コースでわかるディープラーニングの数学』の著者で有名な、

赤石先生の書籍です。

 

いままで自分が購入してきた技術的書籍でも、ピカ一の丁寧さだと思います。

 

ここまで懇切丁寧なつくりの技術書籍も珍しいと感じます。

 

まったくPyTrochを知らない自分でも、

この一冊で画像認識のタスクまでは実装できるようになりました。

 

560ページと特大のボリュームで、サンプルコードも丁寧です。

 

ぱっと見は分厚いのですが、重要事項を再掲されているためであり、

集中して1週間程度で読了できました。

 

以下、ネタバレしない程度にレビューします。

 

概要

章立て(ざっくり)

基礎編・・・Python、PyTorchの基礎、勾配計算、予測関数のこと

機械学習 実践編・・・線形回帰モデル、分類モデル

画像認識 実践編・・・ディープラーニングの画像認識モデル、チューニング

付録・・・Python、NumPy、MatplotlibのTips

 

基礎編

Pythonのクラス定義やクラス継承のこと、

PyTorchの基本的な構文のことがメインです。

 

そのほか基本となる勾配降下法の計算実装を学びます。

 

自分で計算するわけではないのですが、

PyTorchの関数呼び出しや誤差関数の呼び出しのことなど、

初見ではややっこしいので、

しっかり読みこむほうが良いです。

 

学習全体の概要図が書籍では何度もでてきますので、

がっつり覚えます。

 

機械学習 実践編

おなじみの線形回帰、分類モデルを例に、

PyTorchで実装します。

 

8章でMNISTのデータセットを使った実装があり、

最終章に向けた画像認識の練習みたいになります。

 

画像認識 実践編

カラー画像の認識モデルを作ります。

 

最終的には自前で調達した画像の分類もできるようになります。

 

そのほか、

転移学習、ファインチューニングなど、

学習済みのモデルを移植する方法論の実装もあります。

 

てんこもりです。

 

個人的見解

フレームワークに頼らずにディープラーニングを組むことは、

勉強になるかとは思いますが(以前の書評参照)、

3層や4層そこらのモデルを実験的に作ったとしても、

まあ、まず実務的・実践的ではありません。

 

本書でも出てきますが、

ResNet‐18の学習済みモデルは18層ですし、

ほかのモデルも意味不明なくらい複雑です。

 

実際問題として、

論文でもフレームワークは利用されておりますし、

興味があるなら、

フレームワーク自体の勉強も避けて通れないでしょう。

 

フレームワークを知りたいけど良いリファレンスがない」、

「数学はさて置き、PyTorchを使ってみたい」、

「自前の画像認識を作りたい」、

などで迷っている人には超おススメです。

 

 

語郎