有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

某医大での医師大量退職について、雑感。

 

 

大量辞職者

昨年。ある大学病院で、勤務していた看護師さんが大量に辞職してしまいました。新型コロナ流行の最前線で戦っていても、ボーナスカットの憂き目にあい、挫けてしまった模様でした。

 

そんななか同大学で、今度は100人にも及ぶ医師が大量辞職したニュースが飛び込んできました。ここにきて過酷なニュース続きの大学になっています。この件について、思うところを記録します。

 

 

火種

そもそも一般に、大学病院は無給医を大量発生させてしまうような財務状況でした。診療報酬とかややこしい話もありますが、まともに医師に賃金を払えない施設が多いのです。 (今回のネタの本筋ではないので、割愛します)

 

大学からの本給だと25万とかなので、稼ぎたい人は土日とか夜間に出稼ぎのバイトにいきます。バイトの時給は高いので、それだけで月40万とか。本給と合わせて60万くらいのボリューム感になります。

 

事情はよく分からんのですが、冒頭の大学はバイトに行くなら本給を減らすと医師たちに通達。急な話を一方的に告げられた医師が大勢いました。なかにはローンを組んでいる人も居たでしょうし、医師たちは「もう、やってられん」と辞めたようです。

 

 

散見された意見

・辞めた医師は無責任すぎる。残された患者と家族はどうなるのか。

・生活に困窮するようなら、やめるのも仕方ない。よほど太いパイプがないと、金銭的にやっていられないのでは?

 

 

個人的見解

・看護師さんが大勢辞めた時点で、なんとも言えない不穏な空気。最前線の看護師さんが辞めていくと、医師やその他スタッフへの影響も多大でしょうし。医師の辞職についても、自然な流れと思っています。

 

・今までは大学病院で我慢してナンボの医師が多かった業界ですが、こういったニュースを聞くに風向きが変わった印象も受けます。良い意味でも悪い意味でも。あまりにも劣悪な待遇の施設は、今後避けられるという前例になっちゃいそうで。

 

SNSで「無給医の自虐ネタ」をデモみたく騒いだところで、世のなか大きくは変わらんと思うんですよね。騒ぐ人は、ちょっと気持ち良くなる恍惚状態になってるだけ。たぶん一時的なものなんですよね。先月炎上したネタなんて、みんな大抵は忘れとるでしょうし。

 

民主主義の世でルールが変わる好機は、これはもう選挙とか法改正の話。若い人のSNS上の意見といっても、意見そのものが票田にはなりにくいもの、って思うんですよね。なんなら匿名だったりしますし。

 

たぶん偉い議員さんとかは、票数の多い年齢層(票田)を意識するんですよね。なので既得権益層とマッチするのかなぁ、と。

 

そんなこんなでルールが変わるのを待つくらいなら、先の医師のように自分で辞めるなり避けるなり。それが利口かなぁ、っていつも思うんすよね。

 

 

語郎