有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

「#教師のバトン」について、門外漢が思うこと。

 

 

「教師のバトン」

今年の4月の終わりころから、Twitterで盛り上がってる話題だそうです。文科省が主導になり、教職の素晴らしさを伝える目的で始まりました。ハッシュタグをつけて、学校の先生方が魅力を伝える趣旨でした。しかし現実には、グチ大会の様相を呈する状況に。ブラックな職場環境を暴露するキャンペーンになってしまいました。

 

かねてから学校の先生の労働については、改善点が大量にあったようです。門外漢なので踏み込んだ記録は躊躇してしまいますが、ざっと見たあたりのことを。忘れないうちに。

 

 

目立った問題点(課題)

残業代が出ない

給特法なる法律があります。それによると公立の教員の時間外給与が、定額になっているそうです。その額、月額の4%。 1970年代のルールがいまだ適応されております。もちろん改正の気運も強いのですが、なかなか根本は変わらず。財政状況も昔とは違いますでしょうし、さすがに無理のあるルールと感じます。 鬼のように残業しているのに、残業代は固定の4%。いくら先生といえども、モチベーション維持が厳しそうです。

 

部活問題

目立って多い話題が、部活に関すること。半ば強制的に顧問に任命されるため、断りにくいのだそう。 下手したら自分がまったく知らない競技の顧問になったり。そのための勉強時間ともなると、まあ負担ですよね。そもそも部活は勤務時間外ですものね。監督しないといけない立場ですから、下手に帰宅なんてできません。

 

クレーム対応

今時の悩みですよね。言葉は悪いですが、「モンスター化した保護者」の対応にも追われていらっしゃいます。実務面以上に、メンタルが狩られるイベントが発生しそうです。ほんとうにお辛いと思います。親御さんは親御さんで、心配なのでしょう。難しいところです。

 

多忙

そもそもクラスの担任として30名近く受け持つのはキツイでしょう。 試験の採点やら、細かい連絡やら。事務的な雑務に追われるのでしょう。こうなると、なかなか授業の準備も厳しくなりそうです。

 

人間関係

外部と接点の少ない、閉鎖環境のためか、ギスギスしやすいそうです。 もちろん開放的な職場もたくさんあるでしょうが、なかなか外部に放出できない疲労がありそうです。このあたりは職場の個別事案でしょう。

 

目立って多いのは、上記の話題でした。

 

 

門外漢が思うこと

以下、この話題について部外者の僕がおもうところを記録します。共感してくださる面や、あるいは反対意見もあるでしょう。あくまで門外漢の戯言です。

 

私学と公立の違い

給特法って、公立の話ですよね。さすがに私立だと事情が違うのでは。私学は学費が高いですし、多少のインセンティブはありそうです。このあたり、どうなのかしら。給料面について、同じようにくくるのは無理があるのかも知れません。

 

抱え込み体質

時間外の部活指導とか、採点とか。こういった時間外業務をアウトソーシングできないものでしょうか。いろいろ業務を抱え込むのはいいとして、さばききれなければ意味がないのでは。たとえば地域のクラブスクールに部活を外注する、とか。悪くないソリューションだと思うのですが、ダメなのでしょうかね。お金の問題なのかしら。よく分かりませんけども。

 

使命感の犠牲

学校は聖域です。仕事も生徒の人生に係るもの。それが故に、理不尽に対する反発も「生徒のため」で黙殺されてしまう文化がありそうです。「生徒の笑顔が見たくないのか!!」と凄まれたら、なかなか自分の労働者性を主張しにくいのも分かります。

 

公費の兼ね合い?

公立学校の運営って、やはり公費なわけですよね。こうなると、出費してるのは国なわけで。財政をコントロールする側の目線で見ると、学校運営費を「搾りたくなる」のでしょうか。 学校運営に必要な予算を絞っているのかも。そうなると、しわ寄せが末端にいくのは自明ですわな。

 

 

まとめ

学校の先生の過酷な状況は、深刻な問題だと思います。先生になろうと思う人が今後減ってしまわないものか、心配です。

 

僕の業界の話で恐縮ですが、無給医が大学で大量発生する状況に近いと感じました。「診療報酬という公費運営」、「命を預かる使命感」、「他職種に外注しない」、「専門職で固めた閉鎖性」。いろいろ似通っています。いくつかの悪条件が揃うと、無給で働く人が発生する「悪魔の公理」があるのかも知れません。「悪魔の公理」を求めて、研究を続けます。

 

公費で管轄される業界は、似たような状況に陥りやすいのかも知れない、とまとめます。

 

語郎