キャッチフレーズで炎上?
令和3年2月の上旬。SNSでの炎上事案の話。またまた医療関係者の界隈で、炎上していたネタがあります。
今年の4月から放送予定のドラマ『泣くな研修医』関連のようです。原作は、現役外科医師の中山祐次郎氏です。あいにく書籍は未読なので、コンテンツの詳細は分かりません。どうやら新米研修医が苦労しながら成長する、という王道のようです。それ以上は分かりません。
当然、まだ放送しておりませんので、ドラマの内容で炎上したわけではなくて。キャッチフレーズが、どうにも炎上のタネになってしまったわけです。
研修医のことを「学生以上、医師未満」と表現したことが、医療者さんたちの炎上トリガーにぶち当たったみたいです。
一医師として、今回のことを考察します。例によってテキトーな感じなので、お時間があるときにでもテキトーに読んでください。
思うところ
まずは医師法的な解釈から。それに即しますと、上記のキャッチフレーズは明確に誤っています。研修医といえども、医師国家試験は合格しているわけです。その意味で、れっきとした「医師」です。医師「未満」という表現は、これはもう明確に間違っています。
ですがドラマの主題という意味でとらえると、また違って見えてきます。もっとこう、全体の文脈というか、なんというか。作品のテーマが「これから主人公が、完成された医師を目指してガムシャラに頑張りますよ!」というのであれば、まあ分からんでもありません。「まだまだ未熟だけれど、完成を目指して頑張ります」という文脈であれば、むしろ上昇志向のポジティブな感覚を受けます。いかがでしょうか?
おもうに、大きく2つの立場があって。
・「法律上の定義づけ」に立脚する立場
・「作品のテーマ性の文脈」に立脚する立場
この両者の解釈のかみ合わせに齟齬があり、今回の炎上に至っていると考えています。両者それぞれに言い分がある。
企業のリスク
医療者さんたちの動向には、僕はさほど興味がありません。常時炎上するのが常ですからね。
ただ、なんというか、ねぇ・・・。
昔ならスルーされていたことも、良い意味でも悪い意味でも、SNSで可視化されるようになったわけで。 ああいう公式アカウントを運用する上での、ある種の企業リスクなのかも知れないと考えています。今回の件にしても、それほど明確な悪意があったわけではないでしょう。炎上狙い、というには内容が高度すぎる。予測もつかないでしょう。
仮に企業がSNSを運用していなくても、炎上って勝手に起こるわけで。企業自体がSNSを運用しているか否かに依存しません。
ただ言えることは。ドラマは放送されていないわけですよ。まだ未放送の状態で、作品性と無関係のところで(悪い意味で)炎上している。そういう事実自体が、なんか寂しくて虚しい気もします。
語郎