有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

無給医が労働認定。業界の閉鎖体質を変えるには、オープンソース化が必須である。

 

 

無給医が労基認定!?

つい先日(1月26日)、医科大学の大学院生による無給労働が、労基によって正式に「労働判定」されたようです。 「大学院生は勉強しているのであって、断じて労働ではない」という怪しいロジックは、通用しなくなりそうです。

 

ふつーに考えれば、あたりまえに労働しているわけなのですが、このジャッジに至るまでに数年かかるのが医療界なのですな。

 

とはいえ、正直なところ僕は依然として悲観的に見ています。大学側のコメントは「いや、ちゃんと給料は払っているよ」という程度でした。まー、あんまり今後も変わらんでしょうな。

 

上司の反応

 ネットニュースにも上がった内容ですし、それを見聞きした上司もいました。彼らとしては「自分たちが若いころは、もっとひどかった。今はまだマシだね」という感覚みたいです。遠い目で、虚空を見つめながらボヤいていました。

 

僕の親父も「若いころは、給料が二等分だった。友人と給料を分けていたんだ」と、独りでに語り始める時があり。まあそうなると、聞いている側としても、ちょっとめんどいので放置するのが常ですが。

 

ほかにも、「俺が若いころには、病棟で段ボール敷いて、雑魚寝したんだ」と語る上司もいて。いや、ふつーに、布団で寝て下さい、って話ですが。疲れた頭で診られる患者さんも、困るでしょうに。

 

こういった「昔話」を聞くに、当時には当時なりの価値観というか正義があって。それはそれで尊重すべき歴史なのでしょうね。

 

でも時代は移り変わりますし、技術革新も速いです。古い考えのまま凝り固まっていると、業界全体としての自浄作用がなくなってしまいます。結果的に、いろいろな人を不幸にしてしまうのではないか、と感じるところです。とくに無給医問題を目にすると実感します。

 

インフラについては、オープンソースにすべき

昔の医者はガチの無給を経験しているようですし、今の時代の価値観を信じられないのでしょう。

 

「昔の老害が悪い」、「今のゆとりが悪い」という二元論ではなくって、ひとえに両者の間でのミスマッチなのではないかな、と。そう思うわけです。

 

業界の実態をしっかり調べずに、「なんとなく給料がよさそう。安定していそう。聞こえもいい」とノコノコ来てしまうと、ミスマッチするのでしょう。不幸なミスマッチを減らすためにも、医療を含めたインフラ業界については、情報を開示すべきでしょう。

 

可能な範囲で、業界の実態や給料、待遇を開示する。その情報を共有し、改善していく。そういったオープンソース化の取り組みが、医療業界の閉鎖体質を改善する一手なのだと信じています。

 

不満や実態をSNSやブログに公開する人がふえ、情報が透明化している昨今。危うい面もありますが、当然ながらメリットも多いです。少しでも実態を見知って、進路を考える学生さんがいれば、幸いだと感じます。 

 

そんなテンションがあるからこそ、オープンソースへの意欲があるからこそ、こうやってブログを続けられるのかも知れません。 

 

語郎