有給医のライフハック記録

医師の語る人生最適化戦略

脂肪細胞って、美容の敵??? 意外な機能があるのです。

・脂肪細胞って、悪いやつ???

・脂肪細胞は、ホルモン分泌細胞でもある

・食べ過ぎると、分泌のバランスが狂う

・伝えたいこと

 

 

・脂肪細胞って、悪いやつ???

「脂肪細胞」と聞くと、なんだか、とても不健康な細胞のイメージがあります。名前にわざわざ「脂肪」と入っているあたり、そういったイメージが浮かんできてしまいませんか?

 

 

たとえば、どことなく悪い細胞、人を太らせる細胞、動脈硬化とかさせちゃいそうな細胞。そんなイメージでしょうか。

 

たしかに、ある側面では、そういった「悪い」面は当たっています。ですが、必ずしも脂肪細胞の全てをカバーしている説明ではありません。意外にも、良い一面があるのです。

 

せっかくですので、脂肪細胞の良い面をご紹介させていただこうと思い、記録します。

 

 

・脂肪細胞は、ホルモン分泌細胞でもある

 脂肪細胞は、文字通り脂肪という組織のなかに、豊富に存在しています。ですので、じつは、色々な機能があります。熱やエネルギーを蓄積する細胞としても、重要な役割を果たしています。

 

そんななか、意外にも忘れられがちな、側面があります。盲点なのですが、脂肪細胞は、ホルモンを分泌する細胞でもあるのです。つまり、脂肪という組織自体が、ある種のホルモン分泌組織でもあるのです。

 

 

・アディポ(サイト)カイン

脂肪組織から放出されるホルモンを、すべて総称して「アディポ・サイトカイン」とよびます。アディポ=脂肪、サイトカイン=生理活性物質、って意味です。略して、アディポ・カインと呼ばれます。

 

このアディポ・カインについてなのですが、人体にとって優しい作用をもつ善玉と、悪い作用をする悪玉に分かれるのです。

 

善玉アディポ・カインの効果は、人体の健康を保持するようなものです。たとえば、体内のインスリンを効きやすくして糖尿病を防いだり、代謝を活性化させてくれます。結果として、エネルギー消費効率が良くなります。有益なのです。

 

たいして、悪玉アディポ・カインの効果は、ちょっと不健康チックです。善玉とは裏返しで、血糖値をあげちゃって糖尿病になりやすくしたり、動脈硬化を起こさせて血圧を上げちゃったり。 いわゆる、一般に想像するような「悪いはたらき」ですね。

 

 

 ・食べ過ぎると、分泌のバランスが狂う

食べ過ぎると、まあ、太ります。太ることは、体内の脂肪が増えることにつながります。

 

「脂肪が増えたのだから、善玉アディポ・カインの分泌も増えて、結果的に悪玉と相殺してくれそうだけど・・・」と、本来であれば、そうなって欲しいところ。ですが、そういう設計にはなっておりません。

 

悲しいことに、脂肪が増えると、悪玉アディポ・カインの分泌の方が増えてしまうのです。これには、いろいろな経路があるようなのですが、いずれにせよ悪玉が優位になります。善玉の分泌が、乏しくなります。

 

脂肪細胞が悪玉アディポ・カインをたくさん出すループに入ると、すなわち、太りまくるループに入るのです。

 

 

・伝えたいこと

脂肪細胞も、悪玉だけじゃなくって。善玉もいるんですよ、と。脂肪細胞も、頑張っているのですよ、と伝えたいだけでした。

 

おしまい。

 

語郎