都心で開発が進んでいる。昔はあぜ道だった場所が舗装されてしまい、昆虫の住む環境が激変している。近所の公園に行けば、もちろん今でも昆虫に出会えるが、その数は減少している気がする。この環境変化のなかで、珍しいアゲハチョウに確実に会うにはどうすればいいのだろうか。おすすめの施設をご紹介する。
そういった希望にこたえてくれる場所が都内にある。屋内でアゲハチョウやバッタを放し飼いにして、観察できる施設があるのだ。多摩動物公園と足立区生物園をご紹介したい。僕はどちらの施設も、3回は足を運んでいる。
東京都日野市にある。最寄り駅は多摩都市モノレール線の多摩動物公園駅。有名な施設のためご存じの方も多いと思う。開放的な環境で動物を飼育するコンセプトがあるようで、園内はかなり広い。じっくり回ると1日かかるだろう。
特に印象深かったのは、鳥類のゾーンだ。かなり大きなスペースで飛んでおり、のびのびとしていた。鳥が好きな方には、特におすすめである。
もちろんメインは動物なのだが、敷地内に昆虫を扱う建物があるのだ。目玉は蝶を放し飼いにする巨大スペースである。もちろん、それ以外にも沢山の昆虫が飼育されている。たとえば、バッタ。
かなりの数のバッタが飼育されていた。
蝶の放し飼いスペースはかなり広い。池や植物も生い茂っており、理想の生息環境なのだろう。何枚か写真をご紹介。
都心では遭遇しにくい種類もあちこち飛んでいる。南国系でしか見られないアゲハチョウもおり、面白い。入館料は別途かかるわけではない。
東京都足立区にある。最寄り駅は東武伊勢崎線の竹ノ塚駅だ。施設全体はさほど大きくはない。1日あればじっくりと回れると思う。カンガルーやフクロウも飼育されており、珍しくて驚いた。
他にも巨大な水槽の中にサメや熱帯魚がいたり。「えっ。ここの施設にいるのか」と最初は困惑してしまうレパートリーが魅力的だ。
こちらの施設にも蝶を放し飼いにしているセクションがある。南国系の蝶も多く、見ごたえは十分だ。
オオゴマダラという蝶。南西諸島に生息しているため、まず都内ではみられない。サナギが金色であることが有名だ。僕が大好きな蝶である。こちらも入館料は園内に入るときのみだ。
どちらの施設も都内にあり、東京に住んでいる方ならアクセスしやすいだろう。都会の喧騒を離れて、自然と戯れるのは気持ちがいい。
最後に一つ、注意点を述べたい。蝶の放し飼いスペースは暑い。蒸し暑いのだ。蝶にあわせて温室に設定されている。そのため、秋口や冬場のほうがおすすめだ。
語郎